「そろそろ転職したいけれど、何から手をつければいいのか分からない」
そう感じている20代の方は、決して少なくありません。
目的の整理も、書類の準備も、面接対策も、初めてだと不安になるのは当然です。
この記事では、転職活動の始め方を7つのステップに分けて解説します。
全体像さえ掴めれば、迷わず一歩を踏み出せるはずです。
すでに転職すべきか迷っている段階の方は、転職すべきか迷ったら読む記事も参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 転職活動を始めるベストなタイミング
- 転職活動の具体的な7ステップ
- 失敗しないためのポイント
- よくある疑問への回答
転職活動は会社を辞める前に始めるべき
転職活動の大原則は、今の会社を辞める前に動き始めることです。
内定が出てから退職する、この順番を守るだけで、活動の安定感がまったく変わります。
在職中に進めるメリット
在職中に活動するメリットは、収入が途切れないことです。
給与という後ろ盾があるので、条件に妥協せず選考を進められます。
たとえば、希望より年収が低い内定を出された場合でも、落ち着いて辞退を選べます。
収入が止まっている状態だと、この判断はどうしても難しくなりがちです。
また、職歴に空白期間ができないことも大きな利点です。
採用担当者から見て、「今の会社でも必要とされている人」という印象を持たれやすくなります。
厚生労働省の調査でも、転職によって前職より賃金が増加した人の割合は40.0%にのぼり、減少した28.9%を上回っています。
| 賃金変動 | 割合(令和6年上半期) |
|---|---|
| 前職より増加 | 40.0% |
| 前職より減少 | 28.9% |
| 変わらない | 29.5% |
じっくり条件を見極められる在職中の活動だからこそ、こうした好条件での転職につながりやすいのです。
自分にとってのベストなタイミングをもう少し具体的に知りたい方は、20代で転職するベストなタイミングの記事もあわせてご覧ください。
退職後に始めるリスク
一方で、退職してから活動を始めるのはリスクが伴います。
理由はシンプルで、収入が止まった瞬間から生活防衛のプレッシャーがかかるからです。
2025年4月の制度改正により、自己都合退職の給付制限期間は2ヶ月から1ヶ月へ短縮されました。
| 項目 | 2025年3月31日以前 | 2025年4月1日以降 |
|---|---|---|
| 給付制限期間 | 2ヶ月 | 1ヶ月 |
とはいえ、申請から実際の振込までには待機期間や手続きの時間もかかります。
結果として、無収入の期間は1〜2ヶ月ほど発生すると見ておいたほうがよいでしょう。
貯蓄が減っていく焦りは、判断力を大きく鈍らせます。
「早く決めないと」という気持ちが先行し、条件を十分に確認しないまま次の職場を決めてしまう。
これが、退職後に活動を始めた場合によく起こる失敗パターンです。
転職活動の始め方【7ステップ】
ここからは、実際の進め方を7つのステップで見ていきます。
順番を守って進めることで、遠回りせずに転職を成功させやすくなります。
- STEP1:転職目的を明確にする
- STEP2:自己分析をする
- STEP3:業界・企業研究をする
- STEP4:転職エージェントに登録する
- STEP5:応募書類を作成する
- STEP6:面接対策をする
- STEP7:内定・退職・入社準備
転職活動ロードマップ

STEP1 転職目的を明確にする
STEP1で最初にやるべきことは、「なぜ転職したいのか」という目的を、はっきり言葉にすることです。
「なんとなく今の会社が嫌だから」という状態のままだと、求人選びの軸がぶれてしまいます。
厚生労働省の調査によると、25〜29歳男性の離職理由でもっとも多いのは「給料が少なかった」というものでした。
女性の場合は「労働時間や休日などの労働条件」が最多の理由となっています。
自分の不満がどこにあるのかを整理し、それを「次の職場で何を実現したいか」という前向きな言葉に変換することが大切です。
私自身、以前は不動産会社の営業職として、電話営業を中心とした業務にあたっていました。
担当できる顧客層に限りがあり、業務時間外の研修も多かったことから、この先のキャリアに構造的な限界を感じるようになりました。
そこで「収入を増やす」という漠然とした思いではなく、「営業以外の形で会社に貢献できる部署へ移りたい」という目的を言語化し、転職活動を始めました。
目的が定まると、次の自己分析や求人選びの精度が一気に上がります。
年収アップにつながる業界の傾向は、転職で年収アップしやすい業界の記事でも詳しく解説しています。
STEP2 自己分析をする
自己分析では、まず「自分がどんな仕事なら納得して働けるか」を整理しましょう。
自分の経験や強みを、相手に伝わる言葉に翻訳する作業ともいえます。
「頑張ってきた」という主観だけでは、面接官には何も伝わりません。
これまでの業務で、何をどう工夫し、どんな結果につながったのか。
数字や具体的なエピソードに落とし込むことがポイントです。
厚生労働省の「マイジョブ・カード」など、公的なツールを使って経験を棚卸しするのもおすすめです。
私自身、新卒2年目で転職を決めたのですが、当初から「営業から管理部門へ」という方向性は決めていました。
正直なところ、当時は営業としての数字にあまり手応えを感じられておらず、プレッシャーの大きさもあり、違う道を探したいという気持ちが強くありました。
そこで軸にしたのが、大学時代に取得していた宅地建物取引士や行政書士、社会人になってから取った日商簿記2級といった資格です。
これらを振り返るうちに、「経理か法務の仕事に携わりたい」という方向性が自然と見えてきました。
まずは、土地勘のある1社目と同じ不動産業界を軸に、企業を探し始めました。
STEP3 業界・企業研究をする
業界・企業研究では、求人票だけではなく客観的なデータも確認しましょう。
採用ページの見栄えの良い言葉を、そのまま鵜呑みにしないようにしましょう。
2024年4月の法改正により、企業は求人情報に「入社後の業務・勤務地の変更範囲」を明示する義務を負うようになりました。
給与水準は、個人の能力よりも「どの業界に身を置くか」で大きく左右される部分もあります。
国税庁の調査では、業種によって平均給与に大きな差があることが分かっています。
| 業種 | 平均給与(令和6年分) |
|---|---|
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 約832万円 |
| 金融業、保険業 | 約702万円 |
| 情報通信業 | 約659万円 |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 約279万円 |
宅地建物取引士を取得し、不動産会社で営業として働いていた経験から感じるのは、同じ「不動産業界」でも、企業によって収益構造や働き方はまったく異なるということです。
総務部門に異動してからは、営業職と管理部門との評価や待遇の違いを社内の立場から見る機会もあり、「どの部署・どの企業を選ぶか」が想像以上にキャリアを左右すると実感しました。
厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」などを使えば、有休取得率や離職率といった実態も確認できます。
求人票だけで判断せず、こうした客観的なデータもあわせて確認することをおすすめします。
STEP4 転職エージェントに登録する
転職活動を効率よく進めたいなら、転職エージェントを活用しましょう。
転職活動を始めるなら、まずは2〜3社の転職エージェントに無料登録して求人を比較するのがおすすめです。
自己分析と企業研究が終わったら、次は転職エージェントへの登録に進みましょう。
一人で求人を探すよりも、エージェントを活用したほうが効率的に活動を進められます。
転職エージェントを利用する主なメリット
- 非公開求人にアクセスできる
- 職務経歴書・履歴書の添削を受けられる
- 模擬面接など面接対策のサポートを受けられる
- 企業との年収交渉を代行してもらえる
- 面接の日程調整をしてもらえる
職業安定法により、有料の職業紹介事業者であっても、求職者から手数料を取ることは禁止されています。
エージェントの運営費は、内定後に企業側が支払う成功報酬でまかなわれているため、利用者側の金銭的な負担は一切ありません。
登録から内定までの主な流れ
- 無料登録
- 担当キャリアアドバイザーとの面談
- 求人紹介
- 応募・書類選考
- 面接
- 内定
流れがあらかじめ分かっていれば、登録への心理的なハードルもぐっと下がるはずです。
私が転職活動をした際は、doda とリクルートエージェントの2社に登録しました。
複数のサービスを併用したことで、それぞれの担当者から異なる視点のアドバイスをもらえたのが良かった点です。
最終的には doda を通じて紹介を受けた企業への転職が決まり、営業職から総務職へのキャリアチェンジを実現できました。
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初めてのエージェント選びで迷う場合は、まず複数社に登録して比較してみるのがおすすめです。
・業界最大級の求人数を持つ doda・手厚いサポートに定評がある
この2社は、20代の転職活動でも定番として利用されているサービスです。
今すぐ本格的に転職活動を始める必要はありません。
まずは自分の市場価値を知るためだけに、無料登録してみるという選び方でも十分です。
非公開求人を眺めてみるだけでも、今の自分にどんな可能性があるかを知るヒントになります。
エージェントと転職サイトの違いがよく分からない、という方は転職エージェントと転職サイトの違いの記事も参考にしてください。
より詳しい比較はおすすめ転職エージェント3選でまとめています。
STEP5 応募書類を作成する
応募書類では、実績を長い文章で説明するのではなく、数字を使った箇条書きで端的に伝えることを意識しましょう。
応募書類は、自分の経験を企業に伝える最初の接点でもあります。
特に中途採用では、履歴書よりも職務経歴書が重視される傾向があります。
2020年にJIS規格の履歴書様式が廃止されて以降、厚生労働省が新しい様式例を公開しています。
性別欄が任意になったり、扶養家族の記載欄がなくなったりと、より公正な採用選考を意識した内容になっています。
職務経歴書では、「何を担当したか」だけでなく「どんな工夫でどんな成果につながったか」を数字で示すことが重要です。
職務経歴書を作る際に意識したのは、長い文章で説明するのではなく、実績を端的に箇条書きでまとめることです。
私の場合、売上そのものは大きくアピールできる数字ではなかったため、日々の商談件数や架電数など、プロセスの数字を中心に記載しました。
また、自己PR欄では伝えたいポイントを3つに絞り、それぞれ具体的なエピソードを添えるようにしました。
「何を担当していたか」という業務内容と、「その経験を通じて培った強み」は、あえて項目を分けて書くようにしていました。
STEP6 面接対策をする
面接では、転職理由を前向きな言葉に変換して伝えることを意識しましょう。
「不満があったから辞めた」ではなく、「その不満を自分なりに改善しようとしたが、環境的に難しかった」という流れで話すと、自立した印象を与えられます。
厚生労働省の「公正な採用選考の基本」では、家族構成や思想信条など、選考に関係のない質問は避けるべきとされています。
もし不適切な質問をされた場合は、業務適性の話に落ち着いて戻すとよいでしょう。
逆質問の場面では、意欲が伝わる質問を用意しておくことをおすすめします。
逆質問の例
- 入社までに勉強しておくべきことはありますか?
- 配属予定部署の一日の流れを教えてください。
- 活躍している方に共通する特徴はありますか?
面接では、必ずといっていいほど「なぜ今の会社を辞めて、この会社に来たいのか」を聞かれました。
ここで意識したのは、後ろ向きな理由ではなく、前向きな転職であることを伝えることです。
私の場合、営業として数字を追う経験も大切だと感じつつ、より専門性を高めたいという思いを軸に話しました。
大学時代に法律を学び行政書士を取得していたことから法律に関わる仕事への関心を伝えたり、経理系の求人であれば1社目に勤めながら簿記の勉強を続けて2級を取得した経緯を話したりしました。
共通していたのは、「専門性を高めたい」という前向きな姿勢を一貫して伝えるようにしていた点です。
STEP7 内定・退職・入社準備
内定が出たら、まず労働条件通知書の内容をしっかり確認しましょう。
特に、業務内容や勤務地の「変更の範囲」は、入社後のミスマッチを防ぐために重要な項目です。
退職届を提出するのは、内定承諾と労働条件の確認が終わってからにしましょう。
退職の意思表示については、民法第627条により、申し出から2週間で雇用契約が終了すると定められています。
就業規則に「1ヶ月前」「2ヶ月前」といった記載があっても、この民法の規定が優先されるケースが多いため、過度に不安になる必要はありません。
引き継ぎと有給休暇の消化は、できる限り両立できるよう早めにスケジュールを立てておくと安心です。
退職を伝える瞬間は、正直かなり緊張しました。
ただ、すでに内定を承諾していたことを伝えると、想像していたほど強く引き止められることはありませんでした。
私の場合、架電をメインとした業務だったため、顧客の引き継ぎに時間がかかることもなく、比較的スムーズに退職準備を進められました。
人事部からは社内の別部署への異動を打診されましたが、内定先の方が魅力を感じていたため、その場では応じませんでした。
退職理由を聞かれた際も、今の職場への不満は口にせず、「専門性を高めたい」という前向きな理由を正直に伝えるようにしました。
転職活動で失敗しないためのポイント
初めての転職で失敗を避けるには、1つの内定に飛びつかないことが大切です。
複数の選択肢を並べて比較する余裕を持つことで、冷静な判断がしやすくなります。
近年の調査では、20代・30代の間で「成果だけで評価してほしい」という価値観よりも、安定や心理的安全性を重視する傾向が強まっているというデータもあります。
年収の高さだけを基準にせず、労働条件や社風とのマッチ度も含めて検討することをおすすめします。
また、複数の転職エージェントを併用することは、まったく問題ありません。
むしろ、担当者ごとの提案内容を比較できるという意味で、活動の精度を高める方法のひとつです。
年収アップを目指す具体的な方法は、20代会社員が年収アップを実現する7つの方法でまとめています。
よくある質問
Q. 在職中に転職活動をしていることが、会社にバレることはありませんか?
転職サイトの「企業ブロック機能」を設定し、会社のPCやネットワークを使わないようにすれば、基本的に知られることはありません。
面接の日程調整も、始業前や終業後、有給休暇を使うなどして対応できます。
Q. 有給休暇を転職活動のために使うのは、問題になりませんか?
有給休暇の取得理由は、労働基準法上、労働者の自由とされています。
申請の際に転職活動であることを伝える必要はなく、「私用のため」で問題なく取得できます。
Q. これといった実績や資格がなくても転職はできますか?
大それた実績がなくても心配はいりません。
企業が見ているのは、日々の業務にどう向き合い、どんな工夫をしてきたかという再現性のある姿勢です。
国税庁のデータでは、20代後半の平均給与は407万円程度とされています。
自分の現在の給与がこの水準と比べてどうかを見ることも、ひとつの判断材料になります。
Q. 給付制限が1ヶ月に短縮されたので、退職後もすぐに生活は安定しますか?
給付制限の期間中は、原則として求職活動の実績報告が必要です。
「制限が短くなったから安心」ではなく、生活防衛のための貯蓄はある程度確保しておくことをおすすめします。
Q. 転職活動にかかる期間はどれくらいですか?
大手人材コンサルティング企業の調査では、20代の転職活動が3ヶ月以内に完了する割合は約90%にのぼります。
自己分析から内定までの目安は、以下のようなイメージです。
| 工程 | 目安期間 |
|---|---|
| 自己分析・目的整理 | 1週間程度 |
| エージェント登録 | 1日 |
| 書類作成 | 1週間程度 |
| 応募・面接 | 2〜4週間程度 |
| 内定まで | 1〜2ヶ月程度 |
あくまで目安ですが、全体の見通しを掴んでおくと計画が立てやすくなります。
Q. 転職活動は何社くらい応募すればいいですか?
決まった正解はありませんが、選択肢を複数持っておくという意味で、数社への応募がおすすめです。
エージェントに登録すれば希望条件に合う求人を絞り込んで紹介してもらえるため、闇雲に応募数を増やす必要はありません。
Q. 転職活動は土日だけでも進められますか?
平日は仕事があるという方でも、土日中心で進めることは可能です。
オンラインでの一次面接に対応してくれる企業も増えています。
希望をエージェントに伝えておけば、日程調整もその範囲でサポートしてもらえます。
Q. 転職活動にお金はかかりますか?
転職エージェントの利用は無料です。
証明写真代や交通費など、細かな実費は発生しますが、大きな費用がかかることは基本的にありません。
転職活動チェックリスト
ここまでの内容を、行動に移せているか確認するためのチェックリストです。
- [ ] 転職目的を整理した
- [ ] 自己分析をした
- [ ] 希望条件を書き出した
- [ ] 業界研究をした
- [ ] エージェントに2〜3社登録した
- [ ] 職務経歴書を作成した
- [ ] 面接対策をした
まとめ
転職活動を成功させる基本は、在職中というもっとも安定した状態から動き始めることです。
目的の明確化から自己分析、業界研究、エージェント活用、書類作成、面接対策、そして退職・入社準備まで。
この7つのステップを順番通りに進めれば、初めての転職活動でも迷わず前に進めます。
大切なのは、焦らず、比較しながら、自分の納得できる選択をしていくことです。
最初の一歩は、決して大きなものである必要はありません。
まずはエージェントに登録して、今の自分にどんな求人があるのかを知ることから始めてみましょう。
今すぐできる次の一歩
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転職活動は、情報を集めるところからでも十分にスタートといえます。
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