毎月の給料明細を見て、「この保険料、本当に必要なんだろうか」と思ったことはありませんか。
新社会人のときに勧められるまま加入した保険を、内容を見返さないまま何年も払い続けている方は少なくありません。
私自身、それまで民間の保険には加入しておらず、20代で住宅を購入した際の団体信用生命保険(団信)が初めての保険加入でした。結婚はしていますが子どもはいないため、FP2級で学んだ公的保障の知識も踏まえて考えると、今のところ団信と公的保障で必要な保障は足りていると感じています。
保険は一度入ったら終わりではなく、公的保障や家族構成、貯蓄の状況に合わせて見直すべきものです。
この記事では、「保険料をとにかく安くする方法」ではなく、20代会社員が自分に必要な保障を整理し、不要な保険料を見直すための考え方と手順を解説します。
先にお伝えしておきたいのは、保険と新NISAは役割が違うということです。保険は「もしものときの大きな損失」に備えるもの、新NISAは「将来のための資産形成」の手段です。この記事は「保険を解約してNISAをやろう」という記事ではありません。
20代会社員が保険を見直す前に知っておきたいこと
保険は「安さ」だけで選ばない
保険を見直すというと、「保険料をいくら下げられるか」に目が行きがちです。
ですが本来の目的は、保障の過不足を確認し、自分にとって必要な保障を必要な分だけ持つことです。
安さだけを追いかけて保障を削りすぎると、いざというときに困るのは自分自身です。逆に、必要以上の保障を持ち続けていると、その分の保険料が資産形成に回せる余地を減らしてしまいます。
まず公的保障と貯蓄を確認する
民間保険を検討する前に確認したいのが、会社員として加入している公的保障(健康保険・厚生年金など)と、現在の貯蓄状況です。
日本の会社員は、高額療養費制度や傷病手当金など、意外と手厚いセーフティネットに守られています。この範囲を把握しないまま民間保険で備えようとすると、保障が重複し、必要以上の保険料を払い続けることになりがちです。
この記事では、次の順番で保険の見直し方を整理していきます。
- 公的保障を確認する
- 現在の貯蓄・家計を確認する
- 家族構成・ライフステージを確認する
- 現在加入している保険を確認する
- 保障の過不足・重複を確認する
- 必要に応じて見直す
- 家計に余裕ができた場合は貯蓄・資産形成へ回す
必要な保障はライフステージで変わる
「20代だから保険は不要」と一律に言い切ることはできません。必要な保障は、次のような要素によって大きく変わるからです。
- 扶養している家族の有無
- 貯蓄額・生活防衛資金の状況
- 収入と家計の余裕
- 勤務先の福利厚生(傷病手当金の上乗せ制度など)
- 住宅ローン・団信の有無
- 子どもの有無・将来の教育費の見込み
- 本人が「どこまで備えたいか」という考え方
同じ20代でも、独身で扶養家族がいない人と、住宅ローンを組んで子育て中の人とでは、必要な保障はまったく違います。「20代だから」ではなく、「自分の状況が今どうなっているか」で考えることが大切です。
会社員にはどんな公的保障がある?
民間保険を検討する前に、会社員が受けられる公的保障を確認しておきましょう。
高額療養費制度
高額療養費制度は、医療機関の窓口で支払った1ヶ月の自己負担額が上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。
この制度は「健康保険法等の一部を改正する法律」の成立(2026年5月)により、2026年8月から見直しが行われており、2026年9月時点ではすでに新しい自己負担限度額が適用されています(厚生労働省・自治体の公式情報で確認済み)。標準報酬月額28万〜50万円程度(年収目安約370万〜770万円の区分)の会社員の場合、1ヶ月の自己負担限度額はおおむね「85,800円+(医療費−286,000円)×1%」で計算されます。
たとえば、1ヶ月の医療費総額が100万円かかった場合、この区分では自己負担額はおよそ9.3万円程度に収まる計算です。
あわせて2026年8月から、1年間(8月〜翌7月)の自己負担額に上限を設ける「年間上限」も新設されており、この区分ではおおむね53万円が目安とされています。長期の通院・治療が続く場合には、この年間上限が負担の頭打ちとして働きます。なお、直近12ヶ月で4回以上高額療養費に該当する「多数回該当」の基準(44,400円)は据え置かれています。
ご自身の所得区分での正確な限度額・年間上限額は、加入している健康保険組合や協会けんぽの公式情報で必ず確認してください。所得区分は2027年8月からさらに細分化される予定もあり、今後も制度が変わっていく可能性があります。
なお、入院時の食事代や差額ベッド代は高額療養費制度の対象外です。この部分は、民間保険よりも生活防衛資金でカバーする考え方もあります。
傷病手当金
傷病手当金は、業務外の病気やケガで働けなくなり、給与の支払いを受けられない場合に、健康保険から支給される制度です。
連続する3日間の待期期間を経たあと、4日目以降、休んだ日について標準報酬日額のおおむね3分の2にあたる金額が、最長1年6ヶ月にわたって支給されます。
ただし、「会社員なら誰でも自動的に満額受け取れる」というものではありません。会社から給与の一部が支払われている場合は調整されますし、有給休暇を消化している間は対象外になるなど、条件があります。実際の支給額・支給期間は、加入している健康保険組合や協会けんぽに確認するのが確実です。
障害年金
病気やケガによって一定の障害状態になった場合、会社員であれば厚生年金から「障害厚生年金」を受け取れる場合があります。
民間の就業不能保険や医療保険の必要性を考える際、この障害年金の存在も判断材料のひとつになります。ただし、支給には一定の障害等級に該当することなど条件があり、傷病手当金のように誰もが対象になるものではありません。詳しい要件は日本年金機構の公式情報で確認してください。
遺族年金
会社員が亡くなった場合、一定の要件を満たす遺族には「遺族厚生年金」が支給されます。
ここで押さえておきたいのが、2025年6月に成立した年金制度改正です。子どものいない配偶者に対する遺族厚生年金は、2028年4月から男女共通で原則5年間の有期給付に見直される予定です(1989年度以降生まれの世代が対象とされています)。これまでは30歳未満の妻に限って有期給付とされていましたが、この男女差が解消される方向です。
つまり、「結婚していれば配偶者の遺族年金でずっと生活を支えられる」とは限らない世代が増えていくことになります。公的保障だけに頼らず、自分自身で資産形成を進めておく重要性は、今後さらに高まっていくと考えられます。制度の詳細や経過措置は、日本年金機構の公式情報で最新の内容を確認してください。
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20代会社員に必要な保険を考える
公的保障を踏まえたうえで、自分の状況ごとに必要な保障を考えてみましょう。あくまで判断材料であり、「必ずこうすべき」という断定ではありません。
独身の場合
扶養している家族がいない場合、高額な死亡保障の優先度は低くなりやすいです。一方で、入院・手術に対する備えや、収入が途絶えたときの生活防衛資金は、家族構成にかかわらず誰にとっても検討材料になります。
結婚している場合
配偶者の生活を経済的に支えている場合は、万が一のときの遺族の生活費を考える必要があります。共働きで互いに収入がある場合と、どちらかの収入に大きく依存している場合とでは、必要な保障の大きさも変わってきます。
子どもがいる場合
子どもがいる場合は、教育費など将来にわたる支出を見込んで保障を考える必要があります。子どもの年齢によって必要な保障期間も変わるため、「子どもが独立するまで」を目安に考えるとイメージしやすくなります。
住宅ローンがある場合
住宅ローンを組む際、多くの場合「団体信用生命保険(団信)」に加入します。団信は、契約者に万が一のことがあった場合、住宅ローンの残債が弁済される仕組みです。
ここで注意したいのは、団信はあくまで「住宅ローンの残債」に対する保障であり、遺族の生活費や教育費まで直接カバーするものではないという点です。団信でローンがなくなっても、残された家族の日々の生活費は別に必要になります。
私自身、それまで民間の保険には加入しておらず、住宅購入時の団信が初めての保険加入でした。加入した当初は「これで死亡保障は足りている」と考えそうになりましたが、団信でカバーされるのは住宅ローンの残債だけで、家族の生活費や教育費は別に考える必要があると気づきました。今は結婚していても子どもがいないため、団信と公的保障で現状の必要保障はおおむね足りていると考えていますが、子どもができれば教育費など考え方が変わるはずなので、そのタイミングで改めて検討するつもりです。
また、団信の保障範囲は商品や契約によって異なり、死亡・高度障害のみのものもあれば、特約でがんや疾病まで保障するものもあります。ご自身が加入している団信の保障内容は、契約書や金融機関への確認が必要です。
20代会社員が見直したい保険5つ
生命保険(死亡保障)
死亡保障の役割は、契約者が亡くなった際に「残された家族が経済的に困らないようにする」ことです。扶養する家族がいない場合、高額な死亡保障を民間で用意する積極的な理由は少なくなります。
一方、扶養家族がいる場合や住宅ローンがある場合は、団信の保障範囲や公的な遺族年金を踏まえたうえで、不足する部分を掛け捨ての定期保険で補うという考え方が基本になります。
私自身、結婚はしていますが子どもはいません。民間の死亡保険には入っておらず、住宅購入時の団信のみが今の死亡保障です。公的な遺族年金や、夫婦それぞれの収入も踏まえると、現状はこれで足りていると考えています。ただ、子どもができれば教育費など必要な支出が変わるはずなので、そのタイミングで改めて保障を検討するつもりです。
外貨建て終身保険や変額保険は、保障だけでなく運用の要素も持つ商品です。為替変動リスクや価格変動リスク、解約時のペナルティ(解約控除)が発生する商品もあるため、仕組みを理解しないまま加入すると、想定と違う結果になる可能性があります。
医療保険
高額療養費制度によって、1ヶ月あたりの自己負担には上限があります。この範囲を理解したうえで、民間の医療保険をどこまで手厚くするかを考えると判断しやすくなります。
入院日数の短期化が進んでおり、日額型の給付だけでは十分な保障にならないケースも増えています。「入院日額をいくらにするか」だけでなく、通院保障や一時金型の保障があるかどうかもあわせて確認しましょう。
先進医療特約は、先進医療にかかる技術料への備えとして用意されている特約です。必要性を考える際は、対象となる技術や給付条件、保険料を確認したうえで、自分に必要か判断しましょう。
FP2級の勉強で高額療養費制度の仕組みを詳しく知ったとき、「ここまで手厚い制度があったのか」と驚いた記憶があります。公的保障の範囲を正しく理解しておくと、民間の医療保険をどこまで手厚くすべきか、判断がぶれにくくなると感じています。
がん保険
がん治療は近年、長期入院から通院治療へと移行が進んでいます。そのため、入院日額だけでなく、がんと診断された時点でまとまった資金を受け取れる「診断一時金型」の保障を軸に検討する考え方があります。
がん保険を乗り換える際に注意したいのが「免責期間」です。多くの商品では、契約から一定期間(90日間とする商品が多い傾向にあります)以内にがんと診断されても保障が適用されません。乗り換えを検討する場合は、免責期間が終わるまで古い契約を残しておくくらいの慎重さが必要です。免責期間の長さは商品によって異なるため、契約前に必ず確認してください。
FP2級で保険の仕組みを学んだ経験から言えば、がん保険を比較するなら、保険料の安さだけでなく「診断一時金の有無」「通院保障の範囲」「免責期間の長さ」を軸に見るのがよいと考えています。
就業不能保険
会社員には傷病手当金という公的保障があるため、民間の就業不能保険を検討する優先度は、自営業やフリーランスに比べると相対的に低くなりやすいです。
ただし傷病手当金は最長1年6ヶ月で終了します。傷病手当金でカバーされる期間を踏まえたうえで、それでも収入減少への備えが必要だと考える場合は、就業不能保険の給付条件や支払対象外期間を確認しましょう。
「精神疾患もカバー」とうたう商品でも、約款には「通算〇年まで」「一定の等級以上でないと支払わない」といった条件が設けられていることがあります。加入前に必ず約款で条件を確認しましょう。
FP2級の学習で傷病手当金の制度を詳しく知ったとき、「会社員は思っている以上に守られている」と感じました。休職中の生活費をどこまで公的保障でカバーできるかを把握しておくと、民間の就業不能保険が本当に必要かどうかを冷静に判断できます。
貯蓄型・投資性保険
外貨建て保険や変額保険など、貯蓄・投資の要素を持つ保険は、保障以外のコストが保険料に含まれている商品もあります。生命保険料控除が使える点はメリットですが、その節税効果は多くの場合、年間で数千円〜数万円程度にとどまります。
一方、新NISAは信託報酬の低いインデックスファンドなどを直接購入でき、運用益が非課税になる制度です。保険とNISAでは、コスト構造も税制上の扱いも異なるため、「保障」と「資産形成」を分けて考え、それぞれに合った手段を選ぶという整理の仕方があります。どちらが一律に優れているというものではなく、為替リスク・価格変動リスク・解約時の返戻金の扱いなども踏まえて、自分に合うかどうかで判断することが大切です。
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保険料を見直す5つの方法
保障内容を確認する
見直しの第一歩は、保険証券や契約確認用のWebページを開き、「何が主契約で、どの特約に月いくら払っているか」を正確に把握することです。
私も実際に保険証券を見返したとき、「何の特約に入っているのか分からない」と感じた経験があります。一つずつ確認していくと、自分でも把握していなかった保障内容があり、まずは契約内容を知ることの大切さを実感しました。
パッケージ型の保険は、主契約の裏に、本人が把握していない特約がいくつも組み込まれていることが少なくありません。まずはスマートフォンで手元の保険証券を撮影しておくところから始めてみましょう。
特約を確認する
主契約の保険料だけを見て「安い」と思っていても、実際には特約部分の保険料が大きな割合を占めていることがあります。それぞれの特約に、今の自分にとってどれだけの必要性があるかを一つずつ確認しましょう。
保障額を確認する
必要保障額は、なんとなくの不安ではなく「発生しうる支出−公的保障−現在の貯蓄」という考え方で整理すると分かりやすくなります。ただし、これは考え方を整理するための簡易的な式です。実際の必要保障額は、将来の支出、遺族の生活費、教育費、住宅費、勤務先の保障なども踏まえて総合的に判断するものです。
私も保険を考え直す際、「なんとなく不安だから加入する」のではなく、「もし数ヶ月働けなかったらいくら必要か」を紙に書き出して整理しました。数字で考えてみると、公的保障や生活防衛資金でカバーできる部分が意外と多いことに気づき、保険の役割を冷静に判断できました。
あわせて、生活防衛資金として一定額の現金を、投資資金とは別に確保しておくと安心です。必要な金額は生活費の水準や家族構成によって異なるため、「生活費の数ヶ月分」を目安に、自分の家計に合わせて考えてみてください。
保険料と保障期間を確認する
保険料が割安に見える「更新型」は、年齢が上がるにつれて保険料が段階的に上昇していく仕組みです。一方「終身型」は、加入時の保険料が契約期間中変わらないため、長期の見通しが立てやすいという特徴があります。
| 保険料の設計 | 20代〜30代の保険料 | 将来(更新のたびの上昇イメージ) |
|---|---|---|
| 定期・更新型 | 安価に見える | 年齢とともに段階的に上昇 |
| 終身型 | やや高めに見える | 契約時のまま変わらない |
目先の保険料の安さだけでなく、更新のたびにどの程度保険料が上がっていくのかも確認しておきましょう。
保障の重複を確認する
複数の保険に加入していると、同じリスクに対して重複して備えているケースがあります。とくに、住宅購入時の団信と、既存の死亡保障の重複は見落とされがちです。
団信によって住宅ローンの残債はカバーされますが、遺族の生活費・教育費はカバーされません。「団信があるから死亡保障はすべて不要」ではなく、団信でカバーされる部分と、カバーされない部分を分けて考えることが大切です。
保険を見直すタイミング
就職・転職
就職・転職によって、加入する健康保険組合や勤務先の福利厚生が変わることがあります。傷病手当金の支給条件や、独自の休職補償制度の有無は、転職先ごとに確認しておきましょう。
結婚
結婚によって扶養家族ができると、万が一の際の必要保障額が上がる可能性があります。共働きかどうかによっても、必要な保障の大きさは変わってきます。
子どもの誕生
子どもが生まれると、将来の教育費を含めた必要保障額の見直しが必要になります。子どもの成長に合わせて、保障が必要な期間もあわせて考えておくとよいでしょう。
住宅購入
住宅購入時に団信へ加入する場合、既存の死亡保障との重複を確認する絶好のタイミングです。団信の保障範囲を確認したうえで、必要であれば民間保険の保障額を調整しましょう。
収入や貯蓄が大きく変わったとき
貯蓄が増えて生活防衛資金が十分に確保できるようになった場合、民間保険で備える必要性が下がることもあります。逆に収入が大きく変わった場合は、必要保障額も見直しておきましょう。
保険を解約・乗り換えするときの注意点
新しい保険が成立する前に解約しない
保険を乗り換える際は、新しい保険の審査が通り、契約が正式に成立したことを確認してから、古い保険の解約手続きに進みましょう。
告知した健康状態によっては、新しい保険の審査に通らない可能性もゼロではありません。先に古い保険を解約してしまうと、新旧どちらの保険からも保障を受けられない「無保険の空白期間」が生まれるリスクがあります。
保障内容を比較する
保険料の安さだけでなく、給付条件や更新のしくみもあわせて確認しましょう。「精神疾患は対象外」「特定の等級以上でないと支払われない」といった細かい条件が設けられている商品もあります。安さだけで選ばず、約款まで目を通す習慣をつけておくと安心です。
解約返戻金を確認する
すでに払い込んだ保険料は、今さら取り戻せない「過去のコスト」として一度切り分けて考えることが大切です。
ただし、これは「過去のコストだから今すぐ解約すべき」という意味ではありません。今後払い続ける保険料と、現在の保障内容、そして解約した場合に受け取れる解約返戻金の額を含めて比較したうえで判断することが大切です。解約しづらい事情がある場合は、保障内容を最小限に「減額」するという選択肢もあります。
告知義務を正しく理解する
保険の新規加入や乗り換えでは、過去の通院・投薬歴などを正確に申告する「告知義務」があります。健康状態や過去の治療歴によっては、新しい保険の加入条件に影響する場合があります。
告知義務違反が発覚すると、契約が解除され、支払った保険料も戻らず、給付も受けられなくなる場合があります。告知が必要な期間や範囲は保険会社・商品によって異なるため、必ず申込書や約款、保険会社の公式情報で確認し、正確に申告しましょう。
なお「引受基準緩和型」の保険は、告知のハードルが低い一方で保険料が通常より割高になる傾向があります。固定費を見直すための見直しであれば、あえて割高な緩和型に入り直すことが目的とズレていないか、一度立ち止まって考える価値があります。
保障の空白期間を作らない
がん保険の場合は、新契約の免責期間(多くは90日間とされています)が終わるまで、古い契約を残しておくくらいの慎重さが必要です。乗り換えの手順を誤ると、一時的に無保険の状態になってしまうことがあります。
20代会社員の保険見直しチェックリスト
見直しの前に、以下の項目を書き出してみましょう。
- 現在の保険料(月額・年額)
- 主契約の保障内容
- 付帯している特約
- 保障額(死亡保障・入院給付金など)
- 保障期間(定期・終身、更新の有無)
- 会社員として受けられる公的保障の内容
- 現在の貯蓄・生活防衛資金
- 家族構成(扶養家族の有無)
- 住宅ローン・団信の有無と保障範囲
- 勤務先の福利厚生(休職時の補償制度など)
- 他の保険との保障の重複
すべてを一度に完璧に整理する必要はありません。まずは保険証券をスマートフォンで撮影し、上のリストを一つずつ埋めていくところから始めてみてください。
なお、保険は複数の商品・特約が組み合わさっており、自分だけで整理しきれない部分が出てくることもあります。その場合は、複数社を比較できる窓口や、専門家に相談することも選択肢のひとつです。ただし、無料相談は契約成立時に保険会社から支払われる手数料で運営が成り立っている場合が多い点も知っておくとよいでしょう。相談前に「掛け捨て中心で考えたい」「資産形成は新NISAで行いたい」など、自分の方針を一言で決めておくと、必要以上の商品を勧められるリスクを減らせます。
▶ 関連記事:通信費を節約する方法
よくある質問
Q1. 20代独身に生命保険は必要ですか?
扶養している家族がいない場合、高額な死亡保障の必要性は低くなりやすいです。ただし、必要保障は貯蓄や収入、勤務先の保障によっても変わるため、「独身なら一律に不要」とは言い切れません。自分の生活費や貯蓄状況をもとに、必要な範囲を考えることをおすすめします。
Q2. 医療保険は必要ですか?
高額療養費制度によって、1ヶ月の医療費の自己負担には上限があります。この範囲を理解したうえで、入院時の食事代や差額ベッド代、収入減少への備えなど、公的保障でカバーされない部分をどこまで民間保険で補うかを考えるとよいでしょう。「不要」と一律に断定できるものではなく、貯蓄状況や本人の考え方による部分が大きいです。
Q3. 団信に加入していれば生命保険はいりませんか?
団信は住宅ローンの残債に対する保障であり、遺族の生活費や教育費まで直接カバーするものではありません。団信の保障範囲を踏まえたうえで、それ以外に必要な保障がないかを確認することが大切です。
Q4. 保険を解約してNISAに回してもいいですか?
保険と新NISAは役割が異なります。保険は「もしものときの大きな支出」に備えるもの、NISAは「将来のための資産形成」の手段です。必要な保障まで削って資産形成に回すことはおすすめできません。まずは自分に必要な保障を確認したうえで、過剰な部分があれば見直し、浮いた分を資産形成に回すという順番で考えましょう。
Q5. 保険を乗り換えるときの注意点は?
新しい保険の契約が成立する前に、古い保険を解約しないことが基本です。また、告知義務を正しく守ること、がん保険の場合は免責期間が終わるまで古い契約を残しておくことも重要なポイントです。
まとめ|必要な保障を確認してから保険を見直そう
20代の保険見直しで大切なのは、「保険料をとにかく安くすること」ではありません。
公的保障・貯蓄・家族構成・現在加入している保険を確認し、過剰になっている保障と、不足している保障を整理することが本当のゴールです。
私自身もFP2級を取得し、それまで民間の保険には入らず、住宅購入時の団信が初めての保険加入でした。結婚していても子どもがいない今は、団信と公的保障で必要な保障はおおむね足りていると考えていますが、子どもができれば教育費など必要な支出の考え方が変わるはずなので、そのタイミングで改めて検討するつもりです。固定費を見直し、その分を資産形成へ回すという考え方を、20代で資産1,000万円を築く過程でも大切にしてきました。保険もその例外ではなく、必要な保障を確認したうえで、過不足のない形に整えていくことが、長期的には家計を安定させると考えています。
まずは保険証券を手元に用意し、「契約内容の確認 → 必要保障額の整理 → 見直し」という順番で進めてみてください。
参考・出典一覧
- 厚生労働省「高額療養費制度」関連資料(2026年8月施行の見直し内容を含む)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」「高額療養費制度」関連資料
- 日本年金機構「遺族厚生年金」「障害厚生年金」関連資料
- 厚生労働省 社会保障審議会年金部会資料(遺族年金制度の見直しに関する資料)
- 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」
- 国土交通省「住宅市場動向調査」
- 金融庁「NISA」関連資料・資産運用シミュレーション
- 国民生活センター


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