「投資って難しそう」「損したらどうしよう」――そう思って、新NISAをずっと後回しにしていませんか?
正直、私も最初はそうでした。きっかけは、将来への漠然とした不安でした。老後2,000万円問題が話題になったり、年金も自分たちの世代はあまりもらえないと言われていたり。かといって、ずっと働き続ける未来もなかなか想像できなくて。「このままじゃまずい」という気持ちから、資産を増やすことを意識し始めました。お金の勉強なんてしたことなかったし、投資という言葉だけで頭が痛くなっていました。それでも20代のうちから少しずつ積立を続けた結果、資産1,000万円を達成することができました。
この記事では、そんな私が「当時の自分に教えたかったこと」を詰め込んでいます。新NISAの基礎から証券口座の選び方、何を買えばいいかまで、5ステップで丁寧に解説します。
読み終わった後には、「今日から始めてみようかな」と思ってもらえるはずです。
新NISAとは?初心者が最初に知っておくべき基礎知識
新NISAとは、投資で得た利益に税金がかからない非課税制度のことです。
通常、株や投資信託で利益が出ると、約20%の税金がかかります。たとえば10万円の利益が出ても、手元に残るのは約8万円。
でも新NISAの口座で運用すれば、利益が出ても税金はゼロ。10万円の利益はまるごと10万円です。
2024年からスタートした新NISAの主なポイントをまとめると、こうなります。
- 非課税期間が無期限(旧NISAは最長20年)
- 年間投資上限は360万円(つみたて枠120万円+成長投資枠240万円)
- 生涯投資枠は1,800万円
- 18歳以上なら誰でも利用可能
「枠」や「上限」という言葉が出てきましたが、最初は難しく考えなくて大丈夫です。
まずは「毎月少額を積み立てる=つみたて投資枠」を使うだけで十分。それだけで、長期的な資産形成の第一歩が踏み出せます。
新NISAを始める前に決めるべき3つのこと
口座を開く前に、あらかじめ3つのことを決めておくとスムーズです。
証券会社を決める
初心者が選ぶべき証券会社は、SBI証券か楽天証券の二択です。
理由はシンプルで、この2社は取扱商品が豊富で手数料が安く、初心者にも使いやすいアプリが整っています。どちらを選んでも大きな差はないので、迷ったら次の基準で選んでください。
- 楽天ポイントをよく使う → 楽天証券
- 特にこだわりがない → SBI証券
「どっちにしようか迷って開設できない」という状況が一番もったいない。直感で選んでしまいましょう。
投資金額を決める
月1万円から始めれば十分です。
よく「いくらから始めるべきですか?」と聞かれますが、正直なところ金額より「続けること」の方がずっと大事です。
月1万円を年利5%で30年間積み立てた場合、元本360万円に対して最終的な資産は約830万円になる計算です(複利効果)。
最初から無理して多く積み立てる必要はありません。生活費を圧迫しない金額でスタートし、収入が増えたタイミングで増額するのがおすすめです。
私自身は社会人1年目の最初の半年、研修期間中に実家から通っていたこともあり、家賃や食費がほとんどかかりませんでした(実家には毎月3万円入れていましたが)。その分、当時クレジットカードで積立できる上限額だった月5万円を、まるごと積立NISAに回していました。もちろん、これは恵まれた環境だったからできたことです。最初から無理して多く積み立てる必要はありません。自分の生活を守りながら、続けられる金額でスタートするのが一番です。
投資商品を決める
初心者は「投資信託」一択でOKです。
個別株は特定の企業の株を買うイメージですが、投資信託は「いろんな企業の株をまとめたパック」のようなもの。1本買うだけで自動的に分散投資ができます。
具体的にどの商品を選ぶかは後ほど詳しく解説しますが、まずは「投資信託を積み立てる」という方向性だけ頭に入れておいてください。
新NISAの始め方5ステップ
準備が整ったら、実際に始めましょう。流れはシンプルな5ステップです。
ステップ① 証券口座を開設する
まず証券会社のサイトにアクセスして、証券口座(一般口座)を開設します。
必要なものはこの3つです。
- マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)
- 銀行口座
- メールアドレス
申し込みはスマホで完結できます。書類のアップロードもカメラ撮影だけなので、慣れていない方でも10〜15分ほどで手続きできます。
審査には数日〜1週間ほどかかるのが一般的です。まずここを済ませることが最優先です。
ステップ② 新NISA口座を開設する
証券口座が開設されたら、その中で「新NISA口座」を申し込みます。
新NISA口座は証券口座とは別で、税務署を通じた審査があります。そのため、申し込んでから実際に使えるようになるまで少し時間がかかる場合があります。
早めに申し込んでおくことで、審査が通り次第すぐに運用を始められます。
ステップ③ 入金する
口座が使えるようになったら、証券口座に入金します。
SBI証券なら「住信SBIネット銀行」、楽天証券なら「楽天銀行」との連携が便利です。連携しておくと、口座間の振替がスムーズになります。
積立投資の場合は毎月自動で引き落とされる設定も可能なので、一度設定してしまえば毎月手動で入金する必要はありません。
ステップ④ 投資信託を選ぶ
いよいよ商品選びです。次の章で詳しく解説しますが、初心者が選ぶべき商品は実質2択です。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
どちらも低コストで長期運用に向いている人気商品です。迷っている方は、次の章を読んでから決めてください。
ステップ⑤ 積立設定する
積立設定が完了したら、あとは放置でOKです。
積立設定では「毎月○日に○円積み立てる」という設定をするだけ。一度設定してしまえば、毎月自動で投資が続きます。
設定後に意識すべきことは「売らないこと」だけです。長期で保有することが、資産を増やす最大のコツです。
新NISA初心者におすすめの商品
「何を買えばいいか分からない」という声が最も多い部分です。結論から言えば、以下の2本のどちらかを選べば間違いありません。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
アメリカの主要500社にまとめて投資できる商品です。
アップル、マイクロソフト、アマゾン、グーグルといった世界的な大企業に一気に投資できます。アメリカ経済の成長をそのまま取り込めるのが強みです。
過去の実績では、S&P500指数は長期的に右肩上がりで成長を続けてきました。もちろん将来を保証するものではありませんが、長期で積み立てる前提であれば非常に信頼性の高い選択肢です。
私自身もS&P500を選んでいます。私が投資を始めたのは、新NISAの前身にあたる積立NISAがスタートした2018年のことです。当時は今以上に株の知識がゼロに近い状態でしたが、それでもS&P500を選んだのには理由があります。全世界の株式時価総額のうち、半分以上を米国企業が占めていること。そして過去100年の長期リターンが年平均およそ10%という実績があること。この2点が決め手でした。「よく分からないなら、世界で最も強い経済圏に乗っかればいい」というシンプルな考え方です。「アメリカ経済が今後も成長し続けると信じられるか」が選ぶかどうかの判断軸になります。
- 信託報酬:年0.09372%(業界最低水準)
- 投資対象:米国の主要500社
- こんな人に向いている:アメリカ経済の成長を信じる人、シンプルに運用したい人
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
世界中の株式に一括投資できる商品です。通称「オルカン」と呼ばれています。
日本・アメリカ・ヨーロッパ・新興国など、約50カ国・3,000社以上に分散投資できます。「どの国が伸びるか分からないなら全部買えばいい」という考え方です。
S&P500よりも分散が広い分、1つの国や地域のリスクを抑えやすいのが特徴です。
- 信託報酬:年0.05775%(業界最低水準)
- 投資対象:全世界の株式(約50カ国・3,000社以上)
- こんな人に向いている:アメリカ一国に集中したくない人、より広く分散したい人
どちらを選ぶか迷ったら、「アメリカへの集中投資で高いリターンを狙いたい→S&P500」「世界全体に分散してリスクを抑えたい→オルカン」というイメージで選んでください。
どちらも間違いではありません。大切なのは「選んで、積み立て続けること」です。
新NISAで失敗しないための注意点
新NISAで失敗する人の多くは、制度を誤解しているか、感情で動いてしまっています。あらかじめ注意点を知っておくことで、冷静に行動できるようになります。
一括投資にこだわらない
「まとまったお金ができてから始めよう」は危険な考え方です。
投資の世界に「タイミング投資」という考え方がありますが、プロでも市場の底を正確に予測するのは不可能と言われています。
毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」は、高い時も安い時も買い続けることで平均取得単価を下げる効果があります。結果として、一括投資よりもリスクを抑えやすい傾向があります。
「今は高い気がする」「もう少し待とう」と考えているうちに、5年も10年も経ってしまうのが最もありがちな失敗です。
短期で結果を求めない
新NISAは「10年・20年単位」で考える制度です。
1〜2年で大きな利益を出そうとすると、必ずどこかで無理が生じます。株価は短期的に上がったり下がったりしますが、長期で見れば世界経済は成長を続けてきた歴史があります。
「今月の損益」を毎日チェックするのではなく、「5年後・10年後の自分の資産」をイメージしながら積み立てを続けることが大切です。
暴落しても売らない
暴落したときこそ、売ってはいけません。
投資をしていると、必ず株価が大きく下がる局面がやってきます。コロナショックのときも、リーマンショックのときも、一時的には大きく下落しましたが、長期的には回復しています。
暴落時に売ってしまうと、損失が確定してしまいます。逆に積み立てを続けると、安い時期に多くの口数を買えるため、回復したときにより大きなリターンが期待できます。
実際に私自身も、地政学リスクによる相場の下落局面でも積立を止めませんでした。「暴落は安売りセール」と考えられるようになると、投資が怖くなくなります。
20代会社員こそ新NISAを始めるべき理由
20代最大の武器は「時間」です。
投資において、お金よりも時間の方が価値があります。複利の力は、時間が長ければ長いほど大きく働くからです。
具体的な数字で見てみましょう。
| 開始年齢 | 月積立額 | 運用期間 | 想定元本 | 想定資産額(年利5%) |
|---|---|---|---|---|
| 25歳 | 3万円 | 35年 | 1,260万円 | 約3,540万円 |
| 35歳 | 3万円 | 25年 | 900万円 | 約1,790万円 |
| 45歳 | 3万円 | 15年 | 540万円 | 約830万円 |
同じ月3万円でも、25歳から始めると45歳スタートの約4倍以上の資産になります。これが「時間の力」です。
「若いうちはお金がないから投資なんて無理」と思いがちですが、実は逆です。金額が少なくても、早く始めた方が断然有利なのです。
FP2級の資格を持ち、不動産会社に勤めながら自身の資産形成を続けてきた経験からも、この「時間の価値」は強く実感しています。今の10万円より、20代で始めた月1万円の方がずっと大きな意味を持ちます。
資産形成は「収入を増やすこと」と「投資を続けること」の両輪です。転職や副業で収入アップを目指しながら、同時に新NISAで資産を育てていくのが20代の理想的な戦略です。
まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 新NISAは投資の利益に税金がかからない非課税制度
- 証券会社はSBI証券か楽天証券でOK
- 月1万円から始めれば十分、まず「始めること」が大事
- 商品はS&P500かオルカンの2択で迷わない
- 積立設定したら、あとは長期保有するだけ
- 20代の「時間」は最強の武器、1日でも早く始める方が有利
「完璧な準備が整ってから始めよう」と思い続けていると、気づけば30代、40代になっています。
最初の一歩は小さくていい。口座を開設するだけでも、確実に前に進んでいます。
まずは証券口座の開設から始めてみてください。申し込みはスマホで完結しますし、開設するだけなら費用はいっさいかかりません。
将来の自分への最高の投資は、「今日始めること」です。

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