【2026年版】住宅ローンを組む前に確認すべき7つのポイント|20代会社員向け

住宅ローン

「銀行に聞いたら、思ったより多く借りられそうだった」

住宅ローンを検討し始めると、こんな安心感を持つ人は多いはずです。

でも、その金額をそのまま借りてしまうのは危険です。

銀行が審査のうえで「貸せる」と判断する金額と、あなたが将来も無理なく返せる金額は、必ずしも一致するわけではないからです。

この記事では、住宅ローンを組む前に確認しておきたい7つのポイントを、FP2級・宅地建物取引士の知識と、実際に20代で住宅ローンを組んだ経験を踏まえて解説します。

制度や数値は公的機関・金融機関の公式情報を基準にしつつ、実際に住宅を購入した立場からの気づきや反省点もあわせて紹介します。

目先の「借りられる額」だけでなく、住宅関連費や将来のライフプランまで見据えて判断できるようになることが、この記事のゴールです。

関連記事:20代で住宅を購入するメリット・デメリット
     住宅ローンがあっても新NISAはやるべきか


  1. 住宅ローンを組む前に確認すべき7つのポイント
    1. 7つのチェックポイント一覧
  2. ①「借りられる額」ではなく「返せる額」で借入額を決める
    1. 借入可能額と返済可能額は違う
    2. 住宅ローンの返済額だけでなく住宅関連費を見る
    3. 私が実際に住宅ローンを組んだときの借入額
  3. ②住宅価格だけでなく「購入総額」を確認する
    1. 諸費用
    2. 購入後の維持費
    3. 私が実際に購入して想定外だった費用
  4. ③金利タイプを理解してから決める
    1. 変動金利
    2. 固定金利
    3. 5年ルール・125%ルール
    4. 金利上昇にどう備えるか
    5. 私が変動金利を選んだ理由と現在の金利
  5. ④返済期間と毎月の返済額を確認する
    1. 35年ローン
    2. 月々の返済額
    3. 総返済額
  6. ⑤団体信用生命保険(団信)を確認する
    1. 団信とは
    2. 特約
    3. 生命保険との関係
    4. 私が特約を付けた理由
  7. ⑥住宅ローン控除と住宅性能を確認する
    1. 2026年の住宅ローン減税のポイント
    2. 新築・中古で確認すること
    3. 省エネ性能と住宅ローン控除
    4. 私が住宅ローン控除を利用した経験
  8. ⑦20代なら「これからの人生」を基準にローンを考える
    1. 結婚・出産後も返済できるか
    2. 転職して年収が変わっても返済できるか
    3. 教育費を払っても返済できるか
    4. 住宅ローンを払いながらNISAを続けられるか
    5. 退職・老後までに完済できるか
    6. 家を買った後も資産形成できるか
  9. 住宅ローンを組む前にやるべき3ステップ
    1. STEP1 家計を把握する
    2. STEP2 無理のない予算を決める
    3. STEP3 複数の住宅ローンを比較する
  10. 住宅ローン契約前チェックリスト
  11. よくある質問
    1. 住宅ローンを組む前に何を確認すればいい?
    2. 住宅ローンはいくらまで借りても大丈夫?
    3. 20代で住宅ローンを組むのは早い?
    4. 頭金は必要?
    5. 変動金利と固定金利はどちらがいい?
    6. 住宅ローン控除は利用できる?
  12. まとめ|住宅ローンは「借りられる額」ではなく「人生全体」から決めよう
  13. 関連記事

住宅ローンを組む前に確認すべき7つのポイント

7つのチェックポイント一覧

住宅ローンを組む前に確認すべきポイントは、次の7つです。

  • ① 借りられる額ではなく返せる額で借入額を決める
  • ② 住宅価格だけでなく購入総額を確認する
  • ③ 金利タイプを理解してから決める
  • ④ 返済期間と毎月の返済額を確認する
  • ⑤ 団体信用生命保険(団信)を確認する
  • ⑥ 住宅ローン控除と住宅性能を確認する
  • ⑦ 20代なら「これからの人生」を基準にローンを考える

どれも当たり前に思えるかもしれません。

ですが、契約直前になると意外と見落としがちなポイントばかりです。

記事の最後には、契約前に見返せるチェックリストも用意しています。

一つずつ見ていきましょう。


①「借りられる額」ではなく「返せる額」で借入額を決める

借入可能額と返済可能額は違う

結論から言うと、銀行が審査上「貸せる」と判断する金額と、家計にとって無理なく返せる金額は、必ずしも一致しません。

多くの金融機関では、実際に適用される金利より高めの「審査金利」を使って、返済負担率をもとに貸出可能額を計算する仕組みになっています。

審査の基準や、審査に用いる金利は金融機関ごとに異なるため、「年収◯万円なら必ず◯万円借りられる」とは言い切れません。

一方で、実際の生活費は、税金や社会保険料が引かれた「手取り収入」から支払われます。

この「審査上の貸出可能額」と「手取りベースで無理なく返せる金額」の間にギャップが生まれやすい、という点をまず押さえておきましょう。

以下は、年収500万円のケースをもとにした一例です(審査基準や金利は金融機関によって異なるため、あくまで目安としてご覧ください)。

指標借入可能額(審査上限の一例)返済可能額(手取り20%の一例)
計算基準額面年収500万円×35%手取り年収390万円×20%
年間返済額の目安175万円(月約14.5万円)78万円(月約6.5万円)
借入額の目安約5,200万円約2,400万円

なお、この「手取り20%」は、記事内で採用している一つの目安を単純化して計算したものであり、金融機関や公的機関が定める「安全な借入額」ではありません。

実際の購入現場では、審査上限より抑えた金額で契約するケースも多いと言われています。

銀行から提示された金額を、そのままご自身の予算だと思い込まないようにしましょう。

目安として、次のような考え方があります。

  • 借入額を年収の一定倍数の範囲に収める
  • 毎月の住宅関連費(ローン返済+管理費・修繕積立金・固定資産税など)を手取り月収の20〜25%程度に収める

ただし、これらは絶対的な安全基準ではなく、あくまで一つの目安です。

世帯収入、子どもの有無、地域、教育費、他の借入など、家計の状況によって無理のない範囲は大きく変わります。

本記事では「手取り月収に対する住宅関連費」を20〜25%程度に収めることを一つの目安として考えますが、これが万人に当てはまるわけではない点にご注意ください。

住宅ローンの返済額だけでなく住宅関連費を見る

予算を考えるとき、住宅ローンの返済額だけを見てしまうのは危険です。

実際には、返済額に加えて次のような費用が毎月・毎年発生します。

  • 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
  • 固定資産税・都市計画税
  • 駐車場代
  • 火災保険・地震保険料

これらを含めた「住宅関連費全体」が、家計にとって無理のない水準になっているかを確認することが大切です。

私が実際に住宅ローンを組んだときの借入額

私は結婚のタイミングで住宅購入を決めました。

借入額を決めるときに意識したのは、それまで住んでいた都内の賃貸家賃と、購入後の住宅関連費をほぼ同水準にそろえることです。

具体的には、借入額は4,000万円台前半、毎月の返済額は13万円前後です。

世帯の手取り収入に対する返済負担割合は、およそ25%になるよう調整しました。

結果として、郊外の物件へ住み替えたあとも、投資に回せる金額は購入前とほとんど変わっていません。

「いくらまで借りられるか」よりも「今の生活リズムを崩さずに返せるか」を基準にしたのは、私にとって良い判断だったと感じています。

ただし、これはあくまで私個人の考え方です。世帯構成や収入によって、無理のない基準は変わります。

関連記事(公開予定):20代会社員の住宅購入資金はいくら必要?


②住宅価格だけでなく「購入総額」を確認する

諸費用

住宅購入で必要なお金は、物件の販売価格だけではありません。

契約から引き渡しまでの間に、現金で支払う「諸費用」が別途かかります。

諸費用の内訳は、主に次のとおりです。

  • 仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税、仲介の場合)
  • 住宅ローンの事務手数料や保証料
  • 登録免許税や司法書士報酬などの登記費用
  • 火災保険料・地震保険料
  • 不動産取得税

諸費用の相場は、物件の種類によって差があります。

  • 新築マンション:物件価格の3〜5%程度
  • 新築一戸建て(建売):物件価格の5〜7%程度
  • 中古住宅:物件価格の6〜10%程度(仲介手数料がかかるぶん高くなりやすい)

国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査」では、自己資金比率が新築マンションで約39.9%、中古マンションで約40.0%、注文住宅で約30.1%、新築一戸建て(分譲)で約26.7%という結果が出ています。

ただし、ここでいう自己資金には、預貯金だけでなく、親族からの贈与や、住み替え前の不動産の売却資金なども含まれています。そのため、この数字をそのまま「物件価格の約40%を現金で用意する必要がある」という頭金の目安として受け取らないよう注意してください。

つまり、物件価格だけを見て「これなら払えそう」と判断するのは早計です。

購入後の維持費

購入時の諸費用だけでなく、入居後も継続的にかかる費用があります。

固定資産税・都市計画税に加え、マンションであれば管理費・修繕積立金がかかり続けます。

築年数が経つと、修繕積立金が段階的に増額される物件もあります。

「物件価格」ではなく「初期費用込みの総額」と「入居後の月々の維持費」まで含めて資金計画を立てることが欠かせません。

私が実際に購入して想定外だった費用

私が購入したのは中古マンションでした。

物件価格は4,000万円ほどで、諸費用は仲介手数料が120万円ほど、不動産取得税も同じくらいかかりました。

中古を個人から購入したこともあり、リフォーム費用は住宅ローンとは別のリフォームローンで借り入れています。

結果として、自己資金の持ち出しをほとんど抑えた形での購入になりました。

中古だったこともあり、購入後に壁紙・床・キッチンをリフォームできたのは自由度の高さとして良かった点です。

一方で反省点もあります。

住み始めてから「ここも直したい」という気持ちが出てきて、リフォーム費用が当初の想定より膨らんでしまいました。

自己資金にまったく余裕がない状態での購入は、金利上昇や収入減少があったときのリスクが大きくなります。

可能であれば、諸費用分くらいは自己資金で用意しておくほうが、心理的にも安心できると感じています。

関連記事(公開予定):住宅購入にかかる諸費用はいくら?


③金利タイプを理解してから決める

変動金利

変動金利は、初期の適用金利が低いのが最大のメリットです。

金融機関や優遇条件によって金利水準には幅があり、2026年時点でも比較的低い水準の商品が見られますが、実際の適用金利は各金融機関の公式情報で確認してください。

一方で、金利が上昇すれば返済額も増えるリスクを、借りた本人が負うことになります。

多くの銀行では「5年ルール(5年間は毎月の返済額を据え置く)」と「125%ルール(見直し後の返済額は従来の1.25倍が上限)」が採用されています。

なお、5年ルール・125%ルールはすべての金融機関で採用されているわけではありません。

ソニー銀行やSBI新生銀行、PayPay銀行など、これらのルールを採用していないネット銀行もあります。

契約前に、自分が検討している銀行の商品性を必ず確認してください。

また、これらのルールで毎月の返済額の急増が抑えられていても、金利上昇による利息負担そのものがなくなるわけではありません。

返済額が据え置かれる一方で元金の減り方が遅くなったり、商品によっては未払利息が発生したりする場合があります。仕組みは金融機関ごとに異なるため、契約前に必ず確認しましょう。

固定金利

固定金利(フラット35など)は、返済終了まで金利が変わらないのが最大の安心材料です。

変動金利よりも初期の適用金利は高めに設定されていますが、将来の教育費や生活費を確定させたい人には向いています。

実際の金利水準は金融機関や商品によって異なるため、こちらも公式情報での確認をおすすめします。

5年ルール・125%ルール

5年ルール・125%ルールは、返済額の急な変動を抑えるための仕組みです。

ただし、あくまで「返済額の見直しを抑える」仕組みであり、金利上昇分の利息負担自体をなくすものではありません。

先ほど触れたとおり、これらのルールを採用していない金融機関もあるため、商品ごとの仕組みを確認したうえで比較検討することが大切です。

金利上昇にどう備えるか

調査によって数字は異なりますが、住宅金融支援機構の2026年1月調査では、利用した住宅ローンの金利タイプは変動型75.0%、固定期間選択型14.9%、全期間固定型10.1%となっています。

変動金利が依然として多数派である一方、固定期間選択型・全期間固定型を選ぶ人も一定数いることがわかります。

背景には、日本銀行の利上げによって、短期プライムレートが上昇していることがあります。

大切なのは「何%の人が変動を選んでいるか」ではなく、自分の家計が金利上昇にどこまで耐えられるかです。

変動金利が向いている可能性があるのは、次のような人だと考えられます。

  • 金利が上昇しても、家計への影響を許容できる
  • 金利上昇時に、まとまった資金で繰上返済できる余力がある

逆に、金利上昇時の家計への影響に不安がある場合は、固定期間選択型や全期間固定型も含めて比較検討することをおすすめします。

どちらか一方が絶対的に正しいというものではなく、自分の家計のリスク許容度から判断することが大切です。

私が変動金利を選んだ理由と現在の金利

私自身は、日銀の利上げが本格化する前のタイミングで、変動金利を選んで住宅ローンを組みました。

  • 当初の金利:0.5%程度(万が一に備えた特約付き団信の上乗せ分を含む)
  • 現在の金利:1%程度まで上昇
  • 月々の返済額への影響:金利が上がった分、当初より返済額は増えている
  • それでも変動金利を続けている理由:現時点では、増えた返済額を家計で吸収できる範囲だと判断しているため
  • 固定金利を選ばなかった理由:借入当時、目先の返済額の低さを優先してしまった
  • 今ならどう考えるか:固定金利や固定期間選択型ももう少し比較検討していたと思う

金利が上がったこと自体を後悔しているわけではありませんが、「借りるときにもっと比較しておけばよかった」という反省はあります。

これから借りる方には、変動・固定の両方を並べて検討することをおすすめします。

関連記事(公開予定):住宅ローンの金利タイプ|変動金利と固定金利どっち?


④返済期間と毎月の返済額を確認する

35年ローン

結論として、20代であれば返済期間を35年に設定すること自体は、不合理な選択ではありません。

毎月の返済額を抑えられるぶん、家計に余裕を残しやすいからです。

住宅金融支援機構の調査では、フラット35利用者の平均返済期間は31.8年で、20代の利用者の8割以上が35年返済を選んでいるとされています。

ただし大切なのは、定年時点でローンがどれくらい残っているかを事前に把握しておくことです。

29歳で35年ローンを組むと、完済は64歳です。

完済時年齢や借入時年齢の条件は金融機関によって異なりますが、目安として「完済時年齢80歳未満」「借入時年齢70歳未満」を条件とする金融機関が多く見られます。

退職後や年金生活に返済が食い込む可能性がある点は、契約前の金融機関公式情報とあわせて確認しておきましょう。

月々の返済額

返済期間別に、総返済額がどう変わるかを比較してみます。

以下は、借入額4,000万円・金利1.0%・元利均等返済・ボーナス返済なしという条件でのシミュレーションです。

実際の返済額は、金融機関、金利、返済方式などによって異なります。

返済期間毎月の返済額総返済額(うち利息)
25年約150,713円約4,521万円(利息約521万円)
30年約128,639円約4,631万円(利息約631万円)
35年約112,914円約4,742万円(利息約742万円)

総返済額

毎月の返済額の低さだけで返済期間を決めると、総返済額が想定以上に膨らむことがあります。

上の表のとおり、返済期間が長くなるほど毎月の負担は軽くなりますが、支払う利息の総額は増えていきます。

「月々いくら払うか」だけでなく、「トータルでいくら払うことになるか」もあわせて確認しておきましょう。

返済期間を長くして生まれた家計の余力を、新NISAなどの資産形成に回すという考え方もあります。

ただし、投資には元本割れのリスクがあるため、「住宅ローンの金利より投資の期待リターンが高いから、必ず投資すべき」とは言えません。

早く完済して安心感を得たい人は、返済期間を短めに設定するのも一つの考え方です。

最終的には、毎月の家計の余裕と総返済額のバランスで、自分に合った返済期間を選ぶことが大切です。

私自身は、当時の家計状況を踏まえて、無理のない返済期間を選びました。具体的な年数よりも「万一収入が減っても払い続けられるか」を基準に考え、今後は収入や金利の状況を見ながら繰上返済も柔軟に検討していく予定です。

関連記事(公開予定):住宅ローンの繰上げ返済はするべき?


⑤団体信用生命保険(団信)を確認する

団信とは

団体信用生命保険(団信)とは、返済期間中に契約者が死亡または高度障害状態になった場合、保険金でローン残債が完済される保険です。

民間金融機関の住宅ローンでは、加入が原則必須とされています。

基本的な保障は金利に含まれており、追加の保険料負担なしで加入できるのが一般的です。

特約

近年は、がん診断時に残債が完済される「がん団信」や、三大疾病・全疾病まで保障する団信も増えています。

こうした特約を付けると、金利に0.1〜0.3%程度が上乗せされるのが一般的です。

上乗せ分の負担と、保障される安心感を天秤にかけて選ぶ必要があります。

なお、団信は契約後に保障内容を変更したり、特約だけを解約したりすることが基本的にできません。

住宅ローンを組む前の段階で、慎重に検討しておくことが大切です。

また、健康状態によっては団信の審査に通らないケースもあります。

その場合は、審査基準が緩和された「ワイド団信」や、団信の加入が任意である「フラット35」を検討する方法もあります。

生命保険との関係

団信が保障するのは、基本的に住宅ローンの残高です。

契約者に万一のことがあった場合、団信によってローン残高がなくなるため、遺された家族が住まいを失う心配は減ります。

ただし、団信は家族の生活費や教育費まで保障してくれるわけではありません。

「団信に入ったから生命保険は全部解約していい」と単純に考えるのではなく、団信は住宅ローン部分の保障を担うものと理解したうえで、残りの生活費・教育費部分をどう保険や貯蓄でカバーするかを、あわせて考えることをおすすめします。

私が特約を付けた理由

私は、金利が0.1%上乗せされる特約付きの団信を選びました。

万が一のことがあったときに、家族に住まいを残せる保障を厚くしておきたかったからです。

借入当時の金利は0.5%程度でしたが、その後の金利上昇で、今では1%程度まで上がってしまいました。

それでも、特約を付けたこと自体への後悔はありません。


⑥住宅ローン控除と住宅性能を確認する

2026年の住宅ローン減税のポイント

令和8年度の税制改正により、住宅ローン控除の適用期限は2030年12月31日まで延長されました。

2026年に入居する場合、住宅の環境性能によって借入限度額と控除額が大きく変わる点に注意が必要です。

省エネ基準を満たさない新築住宅は、原則として控除の対象外になります。

制度の詳細な要件は改正される可能性があるため、契約前に国土交通省・国税庁の最新情報で必ず確認してください。

新築・中古で確認すること

住宅ローン控除は、新築住宅と中古住宅とで、区分ごとの借入限度額が別々に設定されています。

2026年に新築住宅へ入居する場合の借入限度額の目安は、次のとおりです(一定の要件を満たす場合の目安です)。

住宅の環境性能区分一般世帯子育て世帯・若者夫婦世帯
認定長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円5,000万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円
その他の住宅(省エネ基準不適合)対象外対象外

子育て世帯・若者夫婦世帯とは、夫婦のいずれかが40歳未満などの要件を満たす世帯を指します。

中古住宅についても、長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅といった区分ごとに借入限度額が設定されていますが、上限額は新築住宅とは異なります。

私自身が購入したのも中古マンションです。中古を検討している方は、新築向けの数字をそのまま当てはめず、中古住宅の区分・限度額を個別に確認することをおすすめします。

一定の要件を満たす場合、新築で認定長期優良住宅を選び、子育て世帯の要件を満たせば、13年間で最大455万円(5,000万円×0.7%×13年)の控除枠となる計算です。

これは「必ず455万円が戻ってくる」という意味ではなく、あくまで制度上の上限枠です。実際の控除額は、年末のローン残高や、その年に納めている所得税・住民税の額によって変わります。

一方、省エネ基準に適合しない新築住宅を選んでしまうと、控除の対象外になってしまいます。

住宅区分・入居年・世帯要件・所得要件によって数値は変わるため、実際の適用条件は必ず個別に確認してください。

省エネ性能と住宅ローン控除

住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高などをもとに計算した控除額を、その年の所得税などから差し引く制度です。

所得税から控除しきれない場合には、一定の条件・上限のもとで、翌年度の住民税から控除される場合があります(上限は前年の課税総所得金額等の5%、97,500円などとされています)。

年収がまだ高くない20代のうちは、計算上の控除枠をすべて使いきれないケースもある点は理解しておきましょう。

制度の詳しい条件や申請方法は、住宅ローン控除とは?申請方法を解説をでまとめています。

私が住宅ローン控除を利用した経験

私は、住宅ローン控除の適用期間中(10年間)は、あえて繰上返済をしない方針にしています。

変動金利が1%未満の水準である一方、新NISAでの運用は長期的に見ればプラスのリターンを期待できると考えているためです(元本割れのリスクがある点は理解した上での判断です)。

初年度の確定申告は、自分で対応しました。

売買契約書と金融機関の残高証明書があれば、手続き自体はそれほど複雑ではありませんでした。


⑦20代なら「これからの人生」を基準にローンを考える

結婚・出産後も返済できるか

子どもの教育費や、配偶者の働き方の変化によって、世帯収入は大きく変動する可能性があります。

「今の共働き収入」を前提に借入額いっぱいまで借りてしまうと、収入が一時的に減ったときに家計が苦しくなるリスクがあります。

子どもの人数や教育方針によって、将来の支出は大きく変わります。

出産・育児で世帯収入が変化しても返済を続けられるか、あらかじめシミュレーションしておくと安心です。

転職して年収が変わっても返済できるか

20代は、転職によるキャリアアップを目指す人も多い時期です。

年収アップを狙った転職は資産形成の観点でも有効な選択肢ですが、住宅ローンの審査中に転職すると、勤続年数の要件を満たせず本審査に通らなくなることがあります。

住宅ローンは、事前審査→本審査→金銭消費貸借契約→融資実行、という順番で進みます。

事前審査が通ったあとでも、本審査や融資実行が完了するまでは、転職や新たな借り入れは控えるのが無難です。

金融機関ごとに注意事項が異なるため、契約前に必ず公式情報を確認してください。

私自身も、同棲を機に住居費が上がった経験があります。

一人暮らしをしていた頃は、築50年以上、家賃5万円ほどの物件に住んでいました。

同棲後は、二人で家賃を割っても、一人暮らし時代より住居費の負担は増えています。

同じタイミングで転職による収入アップがあったため、負担が急に重くなったようには感じませんでしたが、収入の変化がなければもう少し慎重に考えていたかもしれません。

教育費を払っても返済できるか

子どもの教育方針によって、必要な費用は大きく変わります。

公立中心か、私立や習い事にどれだけ費用をかけるかによって将来の支出規模は変わってくるため、住宅ローンを組む段階で「教育費にどこまで割けるか」を考えておくことをおすすめします。

住宅ローンを払いながらNISAを続けられるか

住宅ローンの返済に追われて、資産形成のための積立を止めてしまうのはもったいないことです。

住宅ローンを組んだあとも、無理のない範囲で新NISAなどの積立を続けられるかを確認しておきましょう。

住宅ローンと資産形成のバランスについては、住宅ローンがあっても新NISAはやるべきかで詳しく解説しています。

退職・老後までに完済できるか

返済期間を長く設定した場合、定年時点でローンがどれくらい残っているかを事前に確認しておきましょう。

老後の生活資金を圧迫しないよう、完済のタイミングや、必要に応じた繰上返済の計画も考えておくと安心です。

家を買った後も資産形成できるか

住居費・生活費・教育費・資産形成のバランスは、世帯によって大きく異なります。

目安となる比率を一律に示すのではなく、ご自身の手取り収入をもとに、次の流れで一度試算してみることをおすすめします。

  • 現在の手取り収入
  • 住宅関連費(ローン返済+管理費・修繕積立金・固定資産税など)
  • 基本生活費
  • 教育費・イベント費
  • 新NISAなどの積立
  • 残る余剰資金

この流れで試算しておくと、住宅ローンを組んだあとの家計がイメージしやすくなります。

私自身も、購入前にこの流れでおおまかな試算をしたうえで、借入額を決めました。

固定費を見直して資産形成の余力を作る方法は、固定費削減ランキングTOP7でまとめています。


住宅ローンを組む前にやるべき3ステップ

STEP1 家計を把握する

まずは、直近3〜6か月分の手取り収入と支出を洗い出しましょう。

家計簿アプリや銀行口座の明細を使うと、実態が把握しやすくなります。

STEP2 無理のない予算を決める

家計の実態が見えたら、住宅関連費が手取り収入に対してどの程度の割合になるかを軸に、無理のない借入額を考えます。

住宅金融支援機構のシミュレーターを使うと、目安がつかみやすくなります。

年収倍率などの目安はあくまで参考値であり、世帯の状況によって適切な水準は変わる点を踏まえておきましょう。

STEP3 複数の住宅ローンを比較する

候補が絞れたら、複数の金融機関を比較しましょう。

ネット銀行と対面型銀行では、コスト構造が異なります。

  • ネット銀行:事務手数料(借入額の2.2%程度)が主流。適用金利は低めの傾向
  • 対面型銀行:保証料(借入額の2%程度)+事務手数料(5.5万〜11万円程度)が主流

金利だけでなく、事務手数料・保証料・団信の条件・繰上返済手数料なども含めた「実質的な負担額」で比較することが大切です。

複数の金融機関に事前審査を申し込むケースもありますが、住宅ローンの審査では信用情報の照会が行われる場合があります。

申し込み件数や履歴の扱いは金融機関によって異なるため、複数申し込む場合は、各金融機関の審査方式や信用情報の取り扱いを事前に確認しておくと安心です。

また、事前審査が通ったあとに転職・退職をしたり、新たにカードローンやショッピングローンを利用したりすると、本審査で否決される原因になることがあります。

本審査や融資実行が完了するまでは、大きな支出や契約は控えましょう。


住宅ローン契約前チェックリスト

契約の直前になると、物件への期待感から冷静な判断がしづらくなります。

契約前に、次の項目を確認しておきましょう。

スクリーンショットを撮って、契約前にもう一度見返すのもおすすめです。

  • □ 住宅ローン以外の住宅関連費(管理費・修繕積立金・固定資産税など)も計算した
  • □ 金利が上昇した場合の返済額を確認した
  • □ 定年時点でのローン残債を確認した
  • □ 生活防衛資金を手元に残した
  • □ 教育費など将来の支出の変化を考えた
  • □ 住宅ローンを組んだあともNISAなど資産形成を継続できる
  • □ 団信の保障内容を確認した
  • □ 住宅ローン控除の対象条件を確認した
  • □ 複数の金融機関を比較した

一つの銀行だけで決めず、金利・事務手数料・保証料・団信・繰上返済手数料まで含めて比較する習慣をつけておくと安心です。


よくある質問

住宅ローンを組む前に何を確認すればいい?

この記事で紹介した7つのポイント(借入額、購入総額、金利タイプ、返済期間、団信、住宅ローン控除、将来のライフプラン)を、契約前にひととおり確認しておきましょう。

住宅ローンはいくらまで借りても大丈夫?

銀行の審査上限をそのまま予算にするのではなく、住宅関連費まで含めた総額が、手取り月収の20〜25%程度に収まるかを一つの目安に考えるとよいでしょう。

ただし、世帯構成や収入によって無理のない範囲は変わるため、あくまで目安として活用してください。

20代で住宅ローンを組むのは早い?

適正な予算設定と、将来売却しやすい物件を選べば、早すぎるということはありません。

むしろ完済時の年齢が若くなるぶん、老後資金を準備する期間を長く確保できるメリットがあります。

頭金は必要?

フルローンでの購入も可能ですが、契約時の手付金や諸費用として、物件価格の5〜10%程度の現金は事前に用意しておく必要があります。

また、貯蓄をすべて頭金に使わず、生活費の6か月分程度は緊急予備資金として残しておくことをおすすめします。

変動金利と固定金利はどちらがいい?

金利が上昇しても家計への影響を許容できるか、繰上返済できる余力があるかを基準に考えるとよいでしょう。

どちらか一方が絶対的に正しいというものではなく、自分の家計のリスク許容度から判断することが大切です。

住宅ローン控除は利用できる?

住宅の省エネ性能や、入居時期などの要件を満たせば利用できます。

2026年入居分については、省エネ基準を満たさない新築住宅は対象外になるなど、条件が細かく分かれています。

詳しくは住宅ローン控除とは?申請方法を解説を確認してみてください。


まとめ|住宅ローンは「借りられる額」ではなく「人生全体」から決めよう

住宅ローンは、この先何十年にもわたって、暮らし方やキャリアの選び方、資産形成の成果にまで影響する大きな決断です。

「銀行がいくら貸してくれるか」や「今の家賃との比較」だけで判断するのではなく、20代という時間の長さを味方につけて、人生全体から逆算した資金計画を立てることが何より大切です。

金利や住宅ローン控除などの制度は改正される可能性があるため、契約前には必ず最新の公式情報を確認してください。

この記事で紹介した7つのポイントとチェックリストを、ぜひ活用してみてください。


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