【2026年版】一人暮らしの固定費平均はいくら?20代会社員の目安をFP2級が解説

固定費削減

毎月の給料明細を見て、こう感じたことはありませんか。

「思ったより手元にお金が残らない」

その原因は、毎月変わらず出ていく「固定費」にあるかもしれません。

家賃、通信費、保険料、光熱費、サブスク。

一つひとつは小さくても、合計すると意外な金額になっています。

この記事では、総務省の家計調査などをもとに、一人暮らしの固定費の平均額を項目別に紹介します。

あわせて、固定費が高くなりやすい原因や、見直すべき優先順位も見ていきましょう。

筆者はFP2級・宅建・行政書士の資格を持ち、不動産会社に勤務しながら資産形成に取り組んでいます。

まずは自分の固定費が、平均と比べてどうなのかを確認するところから始めましょう。


一人暮らしの固定費平均はいくら?

固定費とは?

固定費とは、家賃や通信費、水道光熱費、保険料など、行動にかかわらず毎月一定額が発生する支出のことです。

食費や交際費のような「変動費」とは違い、契約内容を変えない限り金額は変わりません。

だからこそ、固定費の見直しは家計改善で最優先に取り組むべき項目といえます。

変動費の節約は、買い物のたびに我慢を強いられるため長続きしにくいものです。

一方、固定費は一度プランを変更してしまえば、その後は何もしなくても効果が続きます。

たとえば、割高な保険を解約して掛け捨ての共済に切り替えたり、大手キャリアから格安SIMに乗り換えたりする行為がこれにあたります。

手続きにかかる時間は数十分から数時間ですが、その効果は数年、数十年単位で続いていきます。

家計管理の一つの考え方として、固定費全体を手取りの半分程度に収める方法が紹介されることもありますが、絶対的な基準ではありません。

むしろ実践しやすいのは、支出の中でも大きな比重を占める家賃を、手取りの25〜30%程度に収めることを意識する方法です。

サブスクや年会費制のクレジットカードなど、定期的に発生する支払いも固定費に含めて考えましょう。

ただし、固定費はすべて削ればいいわけではありません。

生活の質や仕事の効率を支えているものまで削ってしまうと、かえって自己投資の機会を失うことになります。

まずはスマホの契約明細と、クレジットカードの利用明細を並べてみてください。

固定費を「見える化」することが、見直しの第一歩です。

一人暮らしの固定費平均一覧

自分の固定費が平均と比べて高いのか、費目ごとに確認してみましょう。

総務省統計局「家計調査」(2025年公表データ)によると、34歳以下の単身世帯における消費支出全体の平均は月約17.7万円です(男性約16.9万円、女性約18.8万円)。

このうち固定費にあたる費目を取り出し、目安となる水準とあわせてまとめると、次のようになります。

項目平均額(34歳以下単身)目安見直し優先度
家賃約2.2万〜4.0万円(実勢は5万〜8万円)手取りの25〜30%以内★★★★★
通信費約8,035円(スマホ5,287円+ネット回線2,748円)5,000円以内★★★★★
保険料約8,690円(保健医療費全体の平均)2,000〜5,000円★★★★☆
水道・光熱費約13,333円1万〜1.5万円★★☆☆☆
サブスク利用状況による3,000円以内★★★★☆

注意したいのは「家賃」の数字です。

家計調査の平均には、実家暮らしや家賃補助のある世帯、持ち家世帯も含まれています。

そのため、都市部で実際に賃貸暮らしをしている20代会社員の家賃相場(5万〜8万円程度)より、かなり低く出ています。

比較するときは、上の表の「実勢」欄や、自分の実際の家賃をもとに判断するとよいでしょう。

また、水道・光熱費は2024年の平均9,005円から、2025年は13,333円へと大きく上昇しています。

近年のエネルギー価格の高騰が、そのまま固定費を押し上げている形です。

冬場だけ光熱費が跳ね上がるのは、暖房や給湯の使用量が増えるためで、季節変動としては自然な範囲といえます。

一時的な金額ではなく、年間を通じた月平均で見るようにしましょう。

見直し優先度は、後の章で解説する「削減効果の大きさ」と「手続きのハードルの低さ」から算出しています。


あなたの固定費は平均より高い?簡単チェック

平均額を確認したところで、次は自分自身の支出をチェックしてみましょう。

以下の目安を超えている項目が、いくつあるか数えてみてください。

項目目安
家賃手取りの25〜30%以内
通信費5,000円以内
保険料2,000〜5,000円程度
サブスク3,000円以内

2つ以上当てはまる場合は、固定費を見直す余地が大きい状態です。

次の章から、費目別に原因と対策を見ていきましょう。


固定費が高くなる原因

固定費が高くなる最大の原因は、契約内容を見直さずに「放置」していることです。

通信キャリアの料金プランや保険商品は、時代とともに新しいものが登場し、適正価格も変わっていきます。

しかし、口座からの自動引き落としに慣れてしまうと、支出の痛みを感じにくく、契約を変えないまま済ませてしまいがちです。

国民生活センターには、定期購入やサブスクの解約に関する相談が、年間約9万件寄せられています。

多くの人が、気づかないうちに不要な支払いを続けている実態がうかがえます。

ここでは、固定費が高くなりやすい4つの原因を見ていきます。

家賃が高い

家賃は、一人暮らしの支出の中で最も大きな割合を占める固定費です。

手取り収入に対して家賃が高すぎることが、固定費全体を押し上げる最大の要因になります。

家賃は契約した時点で金額が確定するため、自炊や節電といった日々の工夫では削減できません。

高すぎる家賃の部屋を選んでしまうと、食費や交際費など他の支出を圧迫することになります。

たとえば、手取り20万円の会社員が家賃8.5万円の部屋に住んだ場合、家賃だけで手取りの4割以上を占めてしまいます。

残ったお金から光熱費や通信費、食費を差し引くと、貯蓄や投資に回せるお金はほとんど残りません。

国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査」でも、入居の決め手として「家賃が適切だったこと」を挙げる人が最も多くなっています。

多くの人が、立地や設備以上に「月々の負担感」を重視していることがわかります。

かつて家賃の目安は「手取りの3割」とされてきましたが、社会保険料の上昇や物価高が進む今は「手取りの25〜28%以内」を目安にするのが現実的です。

なお、家賃の安さだけで郊外の物件を選ぶと、プロパンガス物件で光熱費がかえって割高になるケースもあります。

家賃と光熱費、通勤時間まで含めて総合的に判断することが大切です。

私が初めて一人暮らしをしたのは、社会人1年目の12月でした。当時の手取りは月20万円ほどで、その3分の1にあたる6万5,000円を上限に、1ヶ月以上かけて物件を探しました。

条件は、都内・駅近・家賃6万円以下・徒歩圏内に銭湯があることです。

運よく見つかったのは、駅から徒歩1分、家賃5万円の物件でした。ただし築50年以上で日当たりが悪く、浴槽のないシャワールームのみという部屋です。近くに銭湯があったため、シャワールームだけでも不便には感じませんでした。

このとき強く感じたのは、「譲れない条件を決めたら、それ以外は思い切って手放す」という割り切りの大切さです。

住宅ローンを組む際も、できるだけ低い金利を重視して選びました。団体信用生命保険(団信)は、金利がわずかに上がったとしても、万が一の保険代わりになるため加入しています。

通信費を見直していない

スマホやネット回線のプランを、契約時のまま見直していない人は少なくありません。

大手キャリアの無制限プランを契約していても、実際のデータ使用量は月10〜20GB程度というケースが大半です。

使わないスペックに対して、余分な料金を払い続けていることになります。

たとえば、月15GB程度しか使わない人が、月額8,500円の無制限プランから月額2,000円台のオンライン専用プランに乗り換えたとします。

それだけで、月々6,000円前後、年間では7万円以上の削減が見込めます。

総務省の調査でも、大手キャリアから格安SIMやオンライン専用プランに乗り換えた人の85%以上が、料金の減少を実感したと回答しています。

乗り換え後の平均支払額は、月4,189円程度まで下がっています。

現在はMNP(番号そのまま乗り換え)の手続きがオンラインで完結し、解約金や違約金も撤廃されています。

空白期間もほとんどなく、数分の操作で切り替えが可能です。

注意点として、キャリアメールを銀行やWebサービスのログインIDに使っている場合は、乗り換え前にフリーメールへの変更を済ませておきましょう。

私自身は、自分で通信費を払うようになってから、ずっと楽天モバイルを使っています。

それまでは家族全員でauのプランに加入していました。当時の契約は一人あたり7GBまでという制限があり、外出先では動画もほとんど見られない状態です。それでも月の後半には速度制限がかかることが多く、正直かなり不便でした。

楽天モバイルに切り替えたところ、料金は以前の7GBプランとそれほど変わらなかったため、しばらくして家族全員が同じように乗り換えました。auの利用時は月7,000〜8,000円ほどでしたが、楽天モバイルに変更してからは、利用量に応じて月2,000〜3,000円程度に収まっています。使った分に応じて料金が安くなる仕組みも、家計にはうれしいポイントです。

保険に入りすぎている

一人暮らしの20代独身会社員にとって、民間の医療保険や生命保険は、思っているより手厚くなくても大丈夫なケースが多くあります。

会社員が加入する健康保険には、医療費の自己負担を一定額に抑える「高額療養費制度」が備わっています。

さらに、病気やケガで長期間休職しても、給与のおよそ3分の2が最長1年6ヶ月「傷病手当金」として支給されます。

扶養家族がいない独身であれば、高額な死亡保障も本来は必要ないケースがほとんどです。

たとえば、1ヶ月の医療費が100万円かかったケースを考えてみます。

窓口負担は3割の30万円ですが、事前に限度額適用認定証を提示していれば、実際の自己負担は年収に応じて8万円台程度で済みます。

厚生労働省の資料によると、2026年8月の制度改定後も、区分ウ(年収目安370万〜770万円)の自己負担限度額は月8万5,800円前後です。

さらに年間の上限額も新設され、長期治療でも負担が際限なく増える心配はありません。

この仕組みを知っていれば、月1万円を超える医療保険料を払い続けることが、過剰な備えだと気づけるはずです。

保障は掛け捨ての県民共済など(月2,000円程度)で最低限をカバーし、残りは自分の貯蓄や投資に回すという考え方もあります。

なお、持病があって通院中の場合は、新しい保障の審査が通ってから、既存の保険を解約する順番を守りましょう。

サブスクを放置している

利用していない、あるいはほとんど使っていないサブスクを、そのまま契約し続けていませんか。

サブスクは月額980円や1,500円など、1回分のランチ代程度の少額に設定されていることが多いです。

支出の痛みを感じにくいため、「いつか使うかもしれない」と解約を先延ばしにしがちです。

たとえば、無料お試しで登録したまま一度も開いていない動画配信アプリや、スマホ契約時に加入させられた電子書籍オプションなどが典型例です。

国民生活センターには、定期購入・サブスクに関する相談が年間約9万件寄せられており、解約しづらい仕組みへの注意喚起がなされています。

解約手続きは、アプリを削除するだけでは完了しません。

スマホの設定画面や、サービスのWebマイページから、明示的に「自動更新の停止」を行う必要があります。

一度クレジットカードや通信キャリアの請求明細を見返し、身に覚えのない支払いがないか確認してみましょう。


固定費を見直す優先順位

固定費の見直しは、「削減効果の大きさ」と「手続きのハードルの低さ」を掛け合わせて、優先順位をつけることが大切です。

いきなり家賃のような大がかりな見直しから始めると、途中で息切れしてしまい、簡単にできるはずの見直しまで先延ばしになりがちです。

まずは手軽なものから着手し、小さな成功体験を積み重ねていきましょう。

全体像をランキング形式で確認したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

▶ 関連記事:固定費削減ランキングTOP7

通信費

見直しの優先順位は、通信費が第1位です。

手続きが最も簡単で、削減効果もすぐに実感できるためです。

オンライン専用プランや格安SIMへの乗り換えは、スマホの操作だけで完結します。

解約金や違約金もかからず、空白期間もほとんどありません。

まずは今週中に、自分の通信費を見直してみることをおすすめします。

▶ 関連記事:通信費を節約する方法

保険

第2位は保険です。

削減できる金額は通信費より大きくなることがありますが、公的保障の内容を理解したうえで判断する必要があるため、通信費の次に位置づけています。

高額療養費制度や傷病手当金を理解したうえで、本当に必要な保障だけに絞り込みましょう。

必要な保障が定まったら、新しい保険の保障が開始されてから、古い保険を解約する順番を守ってください。

▶ 関連記事:保険の見直し完全ガイド

サブスク

第3位はサブスクです。

削減額は数千円程度ですが、解約による生活への影響がほとんどなく、心理的なハードルも低いのが特徴です。

必要になれば数分で再登録できるサービスがほとんどなので、一旦すべて見直してみるとよいでしょう。

▶ 関連記事:サブスク整理のやり方

家賃

第4位は家賃です。

削減額は最も大きくなりますが、引っ越しには敷金・礼金や引っ越し業者費用など、まとまった初期費用がかかります。

家賃を1.5万円下げるための引っ越しに36万円の初期費用がかかった場合、回収には2年程度かかる計算になります。

そのため、更新のタイミングや転職・引っ越しなど、ライフイベントに合わせて検討するのがおすすめです。

家賃を下げる目的だけで、通勤時間が大きく延びる立地を選ぶのも避けたいところです。

通勤時間が片道30分増えると、年間ではおよそ240時間、自分の時間が失われる計算になります。


浮いたお金は資産形成へ回そう

固定費の見直しで生まれた月1.5万〜3万円は、そのまま普通預金に置いておくのはもったいないお金です。

物価が上昇する局面では、現金のまま持っていると、実質的な価値が目減りしてしまいます。

浮いたお金は、新NISAのつみたて投資枠を使って、資産形成に回すことをおすすめします。

新NISAで積立投資を始める

新NISAを使えば、投資信託の運用益にかかる約20%の税金が非課税になります。

たとえば、通信費・保険・サブスクの見直しで毎月1.5万円を作り、これを年利5%で25年間積み立てたとします。

積立の元本は450万円ですが、複利効果によって資産総額はおよそ893万円まで増える計算です。

通常であれば運用益にかかるはずの税金約90万円が非課税になる点も、新NISAならではのメリットです。

これはあくまで過去の実績をもとにした一つのシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。

投資である以上、元本割れのリスクがあることも理解したうえで取り組みましょう。

なお、固定費削減で生まれたお金をすべて投資に回すのではなく、生活費の3〜6ヶ月分は「生活防衛資金」として現金で確保しておくことが大切です。

急な病気やケガ、転職など、まとまったお金が必要になる場面に備えるためです。

証券口座の選び方や積立設定の手順は、こちらでくわしく解説しています。

▶ 関連記事:新NISA完全ロードマップ

自分に合った証券会社を選びたい方は、こちらの比較記事もあわせてご覧ください。

▶ 関連記事:証券会社比較

SUUMOの調査によると、都内の一人暮らしの家賃相場は8万〜12万円ほどだそうです。

当時、家賃5万円の部屋に住んでいた私は、単純計算で年間60万円近くの差が生まれていたことになります。

この浮いた分は、すべて新NISAでの積立に回していました。同期には家賃10万円ほどの部屋に住んでいた人もいましたが、同じくらいの手取り・キャッシュフローだったにもかかわらず、資産の増え方には大きな差がついたと感じています。固定費を抑えるほど、投資に回せる原資も増える。身をもって実感した経験です。


まとめ

この記事のポイント

  • 34歳以下単身世帯の消費支出平均は月約17.7万円
  • 家賃は手取りの25〜30%以内が目安
  • 見直しは通信費→保険→サブスク→家賃の順がおすすめ
  • 浮いたお金は新NISAでの積立投資へ

一人暮らしの固定費の見直しは、我慢を重ねる節約ではなく、将来の自分を助けるための仕組みづくりです。

通信費、保険、サブスク、家賃の順に見直すことで、無理なく固定費をスリムにできます。

見直しで生まれたお金は、新NISAでの積立投資に回すことで、時間を味方につけた資産形成につながります。

まずは通信費・保険・サブスクの請求額を、紙やスマホのメモに書き出してみましょう。

現状を把握するだけでも、固定費改善の第一歩になります。

その小さな一歩が、数年後の家計を大きく変えるきっかけになります。


固定費を見直してみよう

固定費の見直しは、以下の順番で進めるのがおすすめです。

  1. まずは全体像をつかむ ▶ 固定費削減ランキングTOP7
  2. 通信費を見直す ▶ 通信費を節約する方法
  3. 保険を見直す ▶ 保険の見直し完全ガイド
  4. サブスクを整理する ▶ サブスク整理のやり方
  5. 浮いたお金の投資先を知る ▶ 新NISA完全ロードマップ
  6. 証券会社を比較して口座開設 ▶ 証券会社比較

固定費見直しの基本から知りたい方は、こちらもあわせてどうぞ。

固定費削減で最初に見直すべき7項目

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