新NISAの口座を開いたものの、いざ商品を選ぶ画面で手が止まってしまった。そんな経験はありませんか?
投資信託は数が多く、名前も似ています。ランキングを見ても、本当に自分に合うのか判断しにくいですよね。
結論から言うと、新NISAの商品選びで大切なのは「何を買うか」より「どう選ぶか」です。
この記事では、投資信託を選ぶときに確認したい5つの基準を、初心者向けに順番に解説します。
- 投資対象
- 連動する指数
- コスト
- 分散
- 自分が長期保有できるか
読み終えるころには、商品名だけで判断せず、自分で比較・検討できる状態を目指せます。
この記事は特定の商品をおすすめするものではありません。投資は元本割れの可能性があります。最終的な判断はご自身で行ってください。
新NISAで何を買えばいい?まずは投資信託の選び方を理解しよう
新NISAで商品を選ぶときは、人気ランキングだけで決めないことが大切です。
人気の商品には、それなりの理由があります。ただ、人気があることと、自分に合うことは別の話です。
商品を選ぶ前に、次の5点を確認してみてください。
- 何に投資する商品か
- どの指数に連動するか
- コストはいくらか
- どの程度分散されているか
- 自分が長期で保有できるか
「商品名」だけで判断すると、中身を理解しないまま買ってしまいがちです。
名前に「米国」「世界」「バランス」とついていても、実際の投資対象や値動きの特徴は商品ごとに違います。まずは見る基準を持つことが、失敗しにくい商品選びの第一歩です。
なお、新NISAのつみたて投資枠で買える商品は、金融庁が定めた基準を満たしたものに限られています(出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト」)。成長投資枠は対象がより広く、選択肢が増える分、自分で見極める力が必要になります。
新NISAで投資信託を選ぶ5つの基準
①何に投資する商品なのか確認する
投資信託は、集めたお金をまとめて運用し、その成果を投資額に応じて受け取る商品です。
最初に確認したいのが「何に投資しているか」です。主な投資対象は次のとおりです。
| 投資対象 | 特徴 |
|---|---|
| 日本株 | 日本の企業の株式。為替の影響を受けにくい |
| 米国株 | 米国の企業の株式。為替の影響を受ける |
| 全世界株式 | 日本を含む世界の株式に幅広く投資 |
| 先進国株式 | 日本を除く先進国の株式が中心 |
| 債券 | 国や企業などが発行する債券に投資。株式とは異なる値動きをする |
| バランス型 | 株式や債券など、複数の資産を1本にまとめたもの |
投資対象が違えば、値動きの大きさやリスクも変わります。
「どれが一番いいか」ではなく、「自分はどんな値動きなら受け入れられるか」で考えるのがポイントです。
②どの指数に連動するのか確認する
投資信託には、大きく分けて2つのタイプがあります。
- インデックスファンド:特定の指数と同じような値動きをめざす
- アクティブファンド:指数を上回る成果をめざして運用担当者が銘柄を選ぶ
初心者が投資信託の仕組みを理解するうえでは、特定の指数への連動を目指すインデックスファンドから考えると整理しやすいでしょう。
指数(インデックス)とは、市場全体や特定の市場の値動きを表すものさしのことです。たとえばニュースで聞く「日経平均株価」も指数の一つです。
投資信託でよく見かける指数には、次のようなものがあります。
- S&P500:米国の代表的な大企業500社で構成される指数
- 全世界株式系の指数:先進国・新興国を含む世界の株式で構成される指数
つまり、インデックスファンドを選ぶということは、その指数が表す市場に投資するということです。
同じ「S&P500」でも運用会社が複数あるように、同じ指数に連動する商品は複数あります。どの指数かを確認したうえで、次のコストで比べていくと整理しやすくなります。
③信託報酬などのコストを確認する
投資信託には、保有している間にかかるコストがあります。代表的なのが信託報酬です。
信託報酬とは、運用や管理の対価として、投資信託の資産から日々差し引かれる費用のことです。年率で表示され、保有している間ずっとかかり続けます。
長期投資でコストを見る理由は、小さな差でも年数がたつと積み重なるからです。
ほかのコストとは、次のように違います。
| コストの種類 | かかるタイミング |
|---|---|
| 購入時手数料 | 買うときに1回 |
| 信託報酬 | 保有している間、継続的に |
| 信託財産留保額 | 商品によっては、換金時にかかる費用 |
つみたて投資枠の対象商品は、購入時手数料がかからないなど、金融庁の基準を満たしたものに限られます。
ただし、「手数料が安いほど必ず優れている」という単純な話ではありません。
コストが低くても、投資対象が自分の目的に合っていなければ意味がありません。信託報酬は、同じ指数に連動する商品どうしを比べるときに特に役立つ目安です。
信託報酬の水準や、そのほかにかかる費用は商品や時期によって変わります。実際に比べるときは、運用会社の公式サイトにある「目論見書(もくろみしょ)」や「月次レポート」で、最新の数字を確認してください。
④投資対象がどれくらい分散されているか確認する
分散とは、投資先を複数に分けて、特定の国や企業の影響を受けすぎないようにすることです。
見るポイントは次の3つです。
- 国・地域:1つの国に偏っていないか
- 銘柄数:何社に投資しているか
- 業種:特定の業種に偏っていないか
ここで注意したいのは、「分散すれば絶対に損をしない」わけではないということです。
分散によって特定の国や企業への集中は抑えられます。ただ、株式市場全体が下がる局面では、分散していても価格は下がります。元本割れの可能性も残ります。
分散は「リスクをなくす」ものではなく、「リスクの偏りを和らげる」ものと考えるのが現実的です。
⑤自分が長期保有できる商品か考える
5つの基準の中で、私がいちばん大切だと思っているのがここです。
商品選びでは「過去のリターンが高いもの」に目が向きがちです。けれど、本当に確認したいのは次の点です。
大きく値下がりしたときにも、保有を続けられるか。
どれだけ良い商品でも、下落に耐えられず途中で売ってしまえば、長期投資の良さを活かせません。
私自身も、20代から新NISAでS&P500を中心に積み立てています。値下がりしたときにも積立を続けられるか、という点を考えたうえで選んでいます。ただしこれはあくまで私の選択です。S&P500を選んでいるから、全員がS&P500を選ぶべきだとは考えていません。
また、20代であっても、生活防衛資金や家計の状況を無視して投資額や商品を決めるのはおすすめできません。急な出費で投資を取り崩すことになれば、本来避けたい場面で売ることになりかねないからです。
投資額の決め方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 【2026年版】新NISAはいくらから始める?20代会社員の投資額の決め方
新NISA初心者が検討しやすい投資信託のタイプ
ここからは、初心者が検討しやすい投資信託のタイプを紹介します。特定の商品の順位づけではなく、「どんな考え方のタイプがあるか」を知るためのパートです。
米国株式に投資するタイプ
S&P500に連動するタイプが代表例です。
- 米国の代表的な企業に幅広く投資する
- 米国経済の成長を取り込む考え方
- 一方で、投資先が米国に集中するという特徴がある
米国企業は世界の株式市場で大きな存在感がありますが、米国の景気や為替の影響を受けやすい点は知っておきたいところです。
詳しい特徴やメリット・デメリットは、こちらの記事にまとめています。
→ 【2026年版】新NISAでS&P500に投資するメリット・デメリット|20代会社員向けに解説
全世界株式に投資するタイプ
「オルカン」の愛称で呼ばれる商品などが代表例です。
- 世界の複数の地域・企業へ分散する
- 米国以外の国にも投資する
- 特定の国に偏らず、世界全体へ分散したい人が検討しやすい
国や地域の分散を重視したい人に向くタイプです。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
→ 【2026年版】新NISAでオルカンに投資するメリット・デメリット|20代会社員向けに解説
その他の投資信託
上の2タイプ以外にも、次のようなタイプがあります。
- 日本株:為替の影響が少なく、身近な企業に投資できる
- 先進国株式:日本を除く先進国の株式に投資する
- バランス型:株式や債券など複数資産を1本で持てる
この記事では詳しく扱いませんが、選ぶときの考え方は同じです。先ほどの5つの基準で確認すれば、どのタイプでも比較できます。
新NISAで投資信託を選ぶときの注意点
「人気ランキング」だけで決めない
ランキング上位の商品は、多くの人が選んでいる理由があります。ただ、人気があることは「自分に合う」ことを意味しません。
ランキングは候補を知るきっかけとして使い、最終的には5つの基準で自分で確認するのがおすすめです。
過去のリターンだけで選ばない
過去の実績は、将来のリターンを保証するものではありません。
「過去に上がったから、これからも上がる」とは限りません。実績は参考情報の一つと考え、投資対象や分散の中身まで見て判断しましょう。
手数料だけで選ばない
低コストは大切なポイントです。ただ、コストの安さだけで選ぶと、自分の目的と合わない商品を選んでしまうことがあります。
投資対象・指数・分散・運用方針とあわせて、総合的に判断しましょう。
商品を買いすぎない
複数の商品を買えば、必ず分散になるわけではありません。
たとえば、名前は違っても、実は同じような企業に投資している商品を組み合わせると、投資対象が重なります。この場合、思ったほど分散できていないことがあります。
複数の商品を買う場合も、それぞれの投資対象を確認し、投資先が重複していないか確認しましょう。
自分の投資目的と合っているか確認する
次の点を整理しておくと、判断しやすくなります。
- 投資期間:何年くらい続ける予定か
- リスク許容度:どのくらいの値下がりなら耐えられるか
- 家計:毎月無理なく出せる金額はいくらか
- 投資目的:何のために投資するのか
毎月の積立額の考え方は、こちらの記事が参考になります。
→ 【2026年版】新NISAで毎月いくら積み立てる?20代会社員の無理のない金額の決め方
S&P500とオルカンで迷ったらどう考える?
S&P500とオルカンで迷う人は多いと思います。ここでは考え方だけを簡単に整理します。
- S&P500は、米国株への集中度が高い
- オルカンは、世界全体への分散を重視している
- どちらが絶対に正解、というものではない
大切なのは、自分がどんな分散・リスクを受け入れたいかで考えることです。
米国の成長に絞って投資したいのか。それとも、特定の国に偏らず世界全体に広げたいのか。ここが整理できると、選びやすくなります。
違いをより詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
→ 【結論あり】S&P500とオルカンはどっちを買うべき?5つの違いを徹底比較
新NISAの商品選びで迷ったら、この5項目を確認しよう
商品選びに迷ったときは、次のチェックリストに戻ってみてください。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| ①投資対象 | 株式・債券・バランス型など、何に投資しているか |
| ②連動する指数 | どの指数に連動しているか |
| ③コスト | 信託報酬などを、最新の公式資料で確認したか |
| ④分散 | 国・銘柄数・業種に偏りがないか |
| ⑤長期保有 | 値下がりしても持ち続けられるか |
この5つを確認してから商品を比較する、というシンプルな流れで進めてみましょう。
確認に使う資料は、運用会社が公開している目論見書や月次レポートです。つみたて投資枠の対象商品かどうかは、金融庁のNISA特設ウェブサイトで確認できます。
まとめ|新NISAは「何を買うか」より「どう選ぶか」が大切
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 新NISAでは商品選びが重要
- 人気ランキングだけで決めない
- 投資対象・指数・コスト・分散を確認する
- 自分が長期保有できるかも考える
- S&P500やオルカンには、それぞれ特徴がある
- 自分の目的やリスク許容度に合う商品を選ぶ
大切なのは「正解の商品」を探すことではなく、納得して選べる基準を持つことだと思います。
商品の選び方が整理できたら、次は実際の買い方や証券会社選びに進んでみてください。
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※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品の購入を勧めるものではありません。制度や商品内容は変更される場合があります。最新の情報は、金融庁や各運用会社の公式サイトでご確認ください。
参考・出典
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」
- 各運用会社の目論見書・月次レポート

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