新NISAを始めようと調べると、必ず目にするのが「オルカン」と「S&P500」ですよね。
「全世界に投資できるなら、なんとなく安心そう」
「でも、S&P500とは何が違うの?」
こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、新NISAでオルカンに投資するメリット・デメリットを、初心者の方にも分かりやすく整理します。S&P500との違いや、20代会社員が検討するときの考え方も紹介します。
先に結論をお伝えすると、オルカンは世界の株式に分散投資できる一方で、株式である以上、価格が下がる可能性もある商品です。
この記事は、オルカンをすすめるものではありません。特徴を理解したうえで、ご自身に合うかどうかを考える材料にしてください。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。
オルカンとは?新NISAで投資できる全世界株式の投資信託
オルカンは世界中の株式に分散投資する商品
「オルカン」は「オール・カントリー」の略で、正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。三菱UFJアセットマネジメントが運用する投資信託です。
この記事では、この商品を「オルカン」と呼んで解説します。
投資信託とは、投資家から集めた資金をひとつにまとめ、運用会社が決めた運用方針に基づいて、株式や債券などに投資する金融商品です。
オルカンを1本買うと、日本を含む先進国と新興国の株式に、まとめて投資することになります。
どの指数への連動を目指している?
オルカンは、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する運用成果を目指しています。
「指数」とは、株式市場全体の値動きを表す物差しのことです。日経平均株価が、日本の代表的な225社の値動きを表すのと似ています。
また、為替ヘッジは原則として行いません。そのため、円と外貨の為替レートの変動も、価格に影響します。
新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠で利用できる
オルカンは、新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠の対象商品です。
金融庁によると、新NISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円まで利用でき、併用すると合計で年間360万円までです。生涯の非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)と定められています。
なお、取り扱いの有無や積立の条件は、証券会社によって異なります。
口座開設から商品選び、注文方法までの具体的な手順は、次の記事で詳しく解説しています。
新NISAでオルカンに投資する3つのメリット
世界中の株式にまとめて投資できる
オルカンの大きな特徴は、1本で日本を含む先進国・新興国の株式に投資できることです。
個別の国や企業を自分で選ぶ必要がないため、投資先選びで迷いにくい点は、初心者にとって分かりやすい特徴です。
1つの商品で地域分散をしやすい
投資する地域が1つの国に偏ると、その国の景気や政策の影響を大きく受けます。
オルカンは複数の地域に投資するため、特定の国への集中を抑えやすいのが特徴です。
ただし、「全世界株式」といっても、各国に均等に投資するわけではありません。
市場規模などを反映して構成されるため、米国の比率も大きくなっています。最新の構成比率は、運用会社の月報などで確認できます。
また、「分散できる」は「損をしない」という意味ではありません。この点は、次のデメリットで詳しく触れます。
長期の資産形成に活用しやすい
新NISAでは、運用で得た利益が非課税になります。非課税で保有できる期間にも期限がなく、長期的な資産形成のための制度として活用できます。
オルカンはつみたて投資枠の対象商品でもあるため、毎月一定額を積み立てる方法とも組み合わせやすい商品です。
なお、信託報酬(保有中にかかる運用コスト)などの費用は変更される場合があります。購入前に、最新の公式情報を確認しましょう。
新NISAでオルカンに投資する3つのデメリット
株式なので元本保証ではない
オルカンは株式に投資する商品なので、預貯金と違って元本は保証されていません。
買ったときより価格が下がり、元本を割り込むことがあります。運用の損益は、すべて投資した本人に帰属します。
米国株だけに投資する場合とは値動きが異なる
オルカンは世界の株式に投資するため、S&P500のように米国だけに投資する商品とは、値動きが異なります。
たとえば、米国株が他の地域より大きく上昇する局面では、米国株への投資比率が高い商品ほど、その影響を受けやすくなります。反対に、米国株が下落する局面でも、同じことが言えます。
どちらが良い・悪いという話ではなく、値動きの傾向が違うということです。
世界の株式市場全体が下落すると価格が下がる可能性がある
地域を分散しても、世界の株式市場が全体的に下がるような局面では、オルカンの価格も下がる可能性があります。
地域分散は、特定の国への集中を避ける工夫です。株式そのものの価格変動リスクをなくすものではありません。
「全世界だからリスクが低い」と単純に考えないようにしましょう。
また、為替ヘッジを原則行わないため、円高になると円換算の価格が下がる要因になります。
オルカンとS&P500の違いを比較
| 比較項目 | オルカン | S&P500 |
|---|---|---|
| 主な投資対象 | 世界の株式 | 米国の大型株 |
| 地域 | 世界(先進国・新興国) | 米国 |
| 分散の考え方 | 地域を幅広く分散 | 米国に集中 |
| 投資方針 | 世界経済全体への分散 | 米国企業の成長への投資 |
私自身は、新NISAでS&P500を中心に運用しています。
一方で、オルカンには「特定の国への集中を避けながら、世界の株式に幅広く投資できる」という、別の考え方があります。
そのため、単純に「どちらが優れているか」ではなく、自分がどのような投資をしたいのかを考えることが大切です。私がS&P500を選んでいるのは、あくまで私自身の投資方針によるものです。
S&P500側の特徴は、こちらで詳しく解説しています。
詳しい比較や、どちらを選ぶかの検討は、次の記事にまとめています。
オルカンが向いている人
以下のような考え方の方は、オルカンを選択肢として検討しやすいでしょう。
特定の国に集中せず幅広く投資したい人
1つの国や地域に偏らず、世界全体に投資したいと考える方です。
投資先をシンプルにまとめたい人
複数の商品を組み合わせるのではなく、1本で世界の株式に投資したい方です。
短期の値動きではなく、長期的な資産形成を考えている人
目先の値動きに一喜一憂せず、時間をかけて積み立てたい方です。
ここに挙げたのは判断材料の一例です。当てはまらない場合でも、それが良い・悪いということではありません。
オルカンを検討するときの注意点
「全世界だから安全」と考えない
これまで説明したとおり、地域分散は元本割れを防ぐ仕組みではありません。「全世界」という言葉の印象だけで判断しないようにしましょう。
短期の値上がりだけで投資先を決めない
直近の運用成績が良い商品は目に入りやすいものです。ただ、過去の成績は将来の成果を保証しません。
ある期間の値上がり率だけでなく、商品の中身や自分の投資方針から考えることが大切です。
S&P500との違いを理解して選ぶ
人気や周りの意見だけで選ぶと、値下がりしたときに不安になりやすくなります。
「何に投資しているのか」を自分の言葉で説明できる状態で選ぶと、判断がぶれにくくなります。
20代会社員がオルカンを検討するときの考え方
「20代だからリスクを取るべき」と決まっているわけではありません。
年齢だけでなく、次のような点も関係します。
- 収入
- 支出
- 貯蓄
- 投資期間
- リスク許容度(値下がりにどこまで耐えられるか)
- 投資の目的
まず生活防衛資金と毎月の投資額を確認する
投資資金とは別に、急な出費や収入減に備える資金を確保しておきましょう。相場が下落したときにも、投資資金を取り崩さずに済む可能性があります。
金額の決め方は、次の記事で詳しく解説しています。
無理なく長期で続けられる金額から始める
新NISAの枠をフルに使う必要はありません。生活に無理のない金額から始めて、続けることを優先しましょう。
自分がどの地域に投資したいかを考える
世界全体に幅広く投資したいのか、米国に集中して投資したいのか。
どの地域の成長に期待して投資するのかを考えると、オルカンとS&P500のどちらが自分の考えに近いかが見えてきます。
新NISA全体の流れを知りたい方へは以下記事も合わせてご覧ください。
証券会社を選ぶ段階になったら、比較記事も参考にしてください。
まとめ|オルカンの特徴を理解して自分に合う投資先を考えよう
- オルカンは、世界の株式に分散投資する投資信託
- 新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠の対象商品
- 地域分散ができるのが特徴(ただし各国に均等ではなく、米国の比率も大きい)
- 株式なので元本保証ではなく、市場全体が下がれば価格も下がる可能性がある
- S&P500とは、投資対象や分散の考え方が異なる
- 自分の投資方針やリスク許容度を考えて選ぶことが大切
「人気だから」ではなく、商品の中身を理解したうえで、無理のない金額から検討してみてください。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身でお願いします。
参考URL
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/
- 三菱UFJアセットマネジメント eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):https://emaxis.am.mufg.jp/fund/253425.html


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