住宅ローンを組んでから、毎月の返済とは別に「まとまったお金ができたら繰上げ返済に回すべきか、それともNISAで運用すべきか」と迷ったことはありませんか。
繰上げ返済は将来支払う利息を確実に減らせますが、手元の現金は減ります。
NISAは長期的な資産形成に向いていますが、元本保証はありません。
私自身、住宅ローンを組んで数年が経ちますが、この2つの選択肢を天秤にかけながら家計をやりくりしてきました。
この記事では、「どちらが得か」という単純な比較ではなく、生活防衛資金・住宅ローン金利・住宅ローン控除・投資期間・リスク許容度という5つの視点から、自分に合った優先順位を見つける考え方をお伝えします。
宅地建物取引士とFP2級の知識、そして自分自身の住宅ローン経験を踏まえて解説していきます。
結論|住宅ローンの繰上げ返済とNISAは「どちらが得か」だけで決めない
先に結論からお伝えします。
繰上げ返済とNISAのどちらが正解かは、家計の状況によって変わります。
利回りだけを比較して「NISAのほうが得」「繰上げ返済のほうが安全」と単純に決めつけるのは危険です。
判断のために確認したいポイントは、次の5つです。
- 生活防衛資金は足りているか
- 住宅ローンの金利は高いか、低いか
- 住宅ローン控除を受けている最中か
- これから投資に回せる期間はどれくらいあるか
- 資産が値下がりしたときに耐えられるか
この5つを順番に見ていくことで、自分にとっての優先順位が見えてきます。
まずは生活防衛資金を確保する
繰上げ返済やNISAを検討する前に、最優先で確保すべきなのが「生活防衛資金」です。
住宅ローンへ繰上げ返済したお金は、預金のように必要になったときに自由に引き出すことができません。
一方、NISAで保有している投資信託や株式は、繰上げ返済とは違い、売却すればいつでも現金化できます。ただし、相場が下がっているタイミングで売却せざるを得なくなると、含み損を確定させてしまうリスクがあります。
この「流動性の違い」を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 繰上げ返済 | NISA |
|---|---|---|
| 100万円を使った後 | 住宅ローン残高が減る | 投資商品を保有する |
| 現金に戻せるか | 基本的に戻せない | 売却すれば現金化できる |
| 注意点 | 一度返済すると取り消せない | 価格変動により元本割れの可能性がある |
そのため、急な病気やケガ、転職、家電の故障などに備えて、生活費の数か月分は現金として手元に残しておくことが前提になります。
会社員のように収入が安定している場合は生活費の3〜6か月分、フリーランスや収入の変動が大きい場合はもう少し厚めに用意しておくと安心です。
必要な生活防衛資金を確保できていない場合は、繰上げ返済もNISAも後回しにして、まず現金を貯めることを優先しましょう。
住宅ローン金利・控除・投資期間を比較する
生活防衛資金を確保できたら、次に見るのは「住宅ローンの金利」「住宅ローン控除」「投資できる期間」の3つです。
繰上げ返済によるメリットは、支払う予定だった利息を確実に減らせることです。金利が高いほど、この効果は大きくなります。
一方でNISAのメリットは、運用がうまくいけば非課税で利益を受け取れることですが、リターンは保証されていません。
住宅ローン控除を受けている期間は、繰上げ返済によって控除に影響が出るケースがあるため、あわせて確認しておく必要があります。
住宅ローン金利が低いほど、繰上げ返済によって削減できる利息は小さくなるため、長期投資を続ける選択肢を検討しやすくなります。
一方、金利が高くなるほど、繰上げ返済による確実な利息削減効果が大きくなるため、返済の優先度が高まります。
ただし、「金利が○%を下回ればNISA」「○%を超えれば繰上げ返済」といった一律の基準があるわけではありません。住宅ローン控除の適用状況、手元資金の余裕、投資に回せる期間、値下がりへの耐性なども含めて、総合的に判断する必要があります。
私自身は、ペアローンで住宅ローンを組んだ際、団体信用生命保険込みの変動金利が0.5%程度だったのに対し、当時の固定金利は1.5%程度でした。この金利差を踏まえて変動金利を選び、返済額の差額分をNISAでの積立に回しています。
住宅ローンの繰上げ返済とは?
繰上げ返済の仕組み
繰上げ返済とは、毎月決まった額を返済する通常の返済とは別に、まとまった資金を前倒しで返済する方法です。
繰上げ返済に使ったお金は、利息が含まれず全額が元金の返済に充てられます。
住宅ローンの利息は、基本的に借入残高に応じて計算されるため、元金を早く減らすほど将来の利息負担を抑えられる仕組みです(実際の計算方法は返済方式や返済回数によっても変わります)。
たとえば借入残高3,000万円、残り返済期間30年のローンで100万円を繰上げ返済すると、その100万円に対して今後発生するはずだった利息の負担がなくなります。
繰上げ返済の手数料や最低返済額、受付方法は金融機関によって異なるため、利用中の金融機関の公式サイトで事前に確認しておきましょう。
期間短縮型と返済額軽減型の違い
繰上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。
| 比較項目 | 期間短縮型 | 返済額軽減型 |
|---|---|---|
| 毎月の返済額 | 変わらない | 減る |
| 完済までの期間 | 短くなる | 変わらない |
| 利息削減効果 | 大きい | 期間短縮型より小さい |
| 向いている人 | 定年前の完済や利息削減を重視する人 | 教育費などで毎月の支出を抑えたい人 |
利息削減効果を最優先するなら期間短縮型、毎月の家計負担を軽くしたいなら返済額軽減型を選ぶのが基本的な考え方です。
なお、期間短縮型を選んで返済期間を短くしすぎると、後述する住宅ローン控除の要件である「返済期間10年以上」を下回ってしまう可能性があるため、注意が必要です。
繰上げ返済のメリット・デメリット
メリット①支払う利息を減らせる
繰上げ返済の最大のメリットは、将来支払うはずだった利息を確実に減らせることです。
借入残高3,000万円・残り30年のローンで100万円を期間短縮型で繰上げ返済した場合の利息削減効果は、目安として次のようになります。
| 適用金利 | 利息削減額の目安 | 短縮される返済期間の目安 |
|---|---|---|
| 年0.5% | 約16万円 | 約1年1か月 |
| 年1.0% | 約34万円 | 約1年2か月 |
| 年1.5% | 約55万円 | 約1年3か月 |
| 年2.0% | 約80万円 | 約1年4か月 |
※金融機関の計算方式により実際の金額は変わります。あくまで理論値の目安としてご覧ください。
この利息削減効果は確実で、しかも非課税です。同じ利回りを投資で確実に得ることは難しいため、金利が高いローンほど繰上げ返済の価値は上がります。
メリット②住宅ローン残高を減らせる
住宅ローンの残高を減らすことは、家計全体で見たときの純資産(資産から負債を引いたもの)を改善することにつながります。
住宅の売却価格がローン残高を下回る状態になると、売却時に自己資金の持ち出しが必要になります。
繰上げ返済でローン残高を早めに減らしておけば、将来住み替えや売却を検討するときの選択肢が広がります。
メリット③金利上昇への備えになる
変動金利で住宅ローンを借りている場合、繰上げ返済で残高を減らしておくと、将来金利が上昇したときの負担増を抑えられます。
金利上昇時に増える利息は「そのときの残高×上昇後の金利」で決まるため、元の残高が小さいほど、増える利息の金額も小さくなります。
変動金利には、商品によって5年ルール・125%ルールなど、返済額の見直しに関する仕組みが設けられている場合があります。住宅金融支援機構の調査でも、多くの利用者が今後1年間で金利が上昇すると予想している一方、こうした見直しルールを十分理解できていないと感じている人も少なくないという結果が出ています。
私の場合も、借入から2〜3年で住宅ローン金利が当初より上昇し、毎月の返済額が5,000円以上増えました。それでも、繰上げ返済よりも運用を継続するほうが、流動性や長期的な資産形成の観点も含めてメリットが大きいと考え、現時点では積立を優先しています。
デメリット①手元資金が減る
繰上げ返済に使ったお金は、後から取り消したり引き出したりすることができません。
まとまった資金を繰上げ返済に使った直後に、病気やケガ、転職、住宅の修繕などでお金が必要になっても対応できなくなってしまいます。
繰上げ返済をする際は、必ず生活防衛資金を除いた余剰資金の範囲で行うようにしましょう。
デメリット②投資機会を失う可能性がある
繰上げ返済に資金を使うと、その分をNISAなどで運用していた場合に得られたかもしれない運用益(機会費用)を手放すことになります。
たとえば借入金利1.0%のローンに100万円を繰上げ返済すると、30年間で減らせる利息は約34万円です。
一方で、同じ100万円を年率5%で30年間運用できた場合、単純計算では運用益は約332万円になります。
ただしこれはあくまで一定の利回りを仮定した試算であり、実際のリターンを保証するものではありません。相場の下落局面では、この試算を下回る可能性も十分にあります。
デメリット③住宅ローン控除への影響に注意
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けている期間中に、期間短縮型の繰上げ返済で返済期間が通算10年未満になってしまうと、その年以降は控除を受けられなくなります。
これは国税庁が定める「返済期間が10年以上の割賦償還であること」という要件によるものです。
繰上げ返済で節約できる利息よりも、失う控除額のほうが大きくなってしまうケースもあり得るため、住宅ローン控除を受けている間に期間短縮型の繰上げ返済を検討する場合は、通算の返済期間が10年を下回らないか事前に確認することが欠かせません。
たとえば、住宅ローンの年末残高3,000万円に控除率0.7%を単純にあてはめると、その年の控除額のイメージは最大21万円程度になります(実際の控除額は住宅の種類や借入限度額、所得税・住民税の状況などによって異なります)。
繰上げ返済によって年末残高が減れば、その分だけ控除額にも影響が出る可能性があります。「繰上げ返済で減らせる利息」と「控除額への影響」を天秤にかけて考えることが、控除期間中の判断のポイントになります。
住宅ローン控除の詳しい仕組みについては、こちらの記事でまとめています。
▶︎ [住宅ローン控除とは?控除額・条件・申請方法をわかりやすく解説]
NISAを優先するメリット・デメリット
NISAのメリット
NISA(少額投資非課税制度)最大のメリットは、通常であれば約20%かかる運用益への税金が非課税になることです。
新NISA制度では、つみたて投資枠と成長投資枠をあわせて生涯1,800万円までの非課税枠が設けられており、非課税で保有できる期間も無期限になっています。
20代は投資に回せる期間が長いという強みがあるため、この非課税枠と時間を活かした長期の積立投資と相性が良い制度です。
新NISAの始め方については、こちらの記事で手順を解説しています。
▶︎ [新NISA完全ロードマップ|20代会社員が迷わず資産形成を始める全手順]
NISAのデメリット
NISAには元本保証がなく、相場の下落局面では損失(元本割れ)が出る可能性があります。
また、NISA口座内で出た損失は、他の課税口座の利益と相殺する「損益通算」や、翌年以降に持ち越す「繰越控除」の対象にはなりません。
短期間で結果を求めると値動きに一喜一憂しやすくなりますが、長期・積立・分散を意識した投資であれば、値下がりの局面はむしろ買付のタイミングと捉えることもできます。
数年以内に使う予定が決まっている資金をNISAで運用するのは避け、当面使う予定のない余剰資金で行うことが基本になります。
住宅ローンの繰上げ返済とNISAはどっちを優先すべき?
ここまでの内容を踏まえて、状況別の優先度をまとめると次のようになります。
| ケース | 状況 | 優先したい行動 |
|---|---|---|
| ① | 住宅ローン金利が低く(1.0%未満)、投資期間を長く確保できる | NISAを優先 |
| ② | 住宅ローン金利が高い(2.0%以上など) | 繰上げ返済を優先 |
| ③ | 資産の値動きに強いストレスを感じる | 繰上げ返済を優先 |
| ④ | 生活防衛資金が不足している | どちらも行わず現金を確保 |
| ⑤ | 住宅ローン控除を受けている | 控除への影響を確認したうえで、繰上げ返済のメリットと比較する |
ケース①住宅ローン金利が低く、投資期間が長い人
借入金利が低いほど、繰上げ返済によって減らせる利息も小さくなります。
投資に回せる期間が長ければ、多少の値下がりがあっても回復を待つ余裕があるため、NISAでの積立を優先しやすい状況です。
ケース②住宅ローン金利が高い人
金利が2%を超えるような水準では、繰上げ返済によって確実に得られる利息削減効果が大きくなります。
確実性を重視するなら、繰上げ返済の優先度を上げる価値があります。
ケース③投資の値動きが怖い人
資産が一時的に値下がりすることに強いストレスを感じる場合は、無理にNISAへ資金を回す必要はありません。
繰上げ返済によって負債を減らすことは、確実で分かりやすい安心感につながります。
ケース④生活防衛資金が不足している人
生活防衛資金が足りていない状態で繰上げ返済やNISAに資金を回すのは避けましょう。
まずは現金で当面の生活費を確保することが最優先です。
ケース⑤住宅ローン控除を受けている人
住宅ローン控除の適用期間中は、「控除中だから繰上げ返済はしない」と単純に決めるのではなく、繰上げ返済による利息削減効果と、控除額への影響を比較したうえで判断することが大切です。
期間短縮型の繰上げ返済によって通算の返済期間が10年を下回ると控除自体を失うこともあるため、その点だけは必ず事前に確認しておきましょう。
繰上げ返済とNISAを数字で比較してみる
100万円を繰上げ返済した場合
借入残高3,000万円、残り返済期間30年、元利均等返済という条件で、100万円を期間短縮型で繰上げ返済した場合の目安は次のとおりです。
| 適用金利 | 利息削減額の目安 | 短縮される返済期間の目安 |
|---|---|---|
| 年0.5% | 約16万円 | 約1年1か月 |
| 年1.0% | 約34万円 | 約1年2か月 |
| 年1.5% | 約55万円 | 約1年3か月 |
| 年2.0% | 約80万円 | 約1年4か月 |
※元利均等返済・毎月返済・ボーナス返済なし・繰上げ返済直後に返済額を変更しない「期間短縮型」を前提とした概算です。実際の削減額や短縮期間は、借入条件・返済日・金融機関の計算方法などによって異なります。
100万円を一定の利回りで運用した場合のシミュレーション
100万円を一括投資し、新NISA口座で運用した場合の目安を、想定利回り別に示します。
| 運用期間 | 年率3% | 年率5% | 年率7% |
|---|---|---|---|
| 10年 | 約134万円 | 約163万円 | 約197万円 |
| 20年 | 約181万円 | 約265万円 | 約387万円 |
| 30年 | 約243万円 | 約432万円 | 約761万円 |
**年率3%・5%・7%は、あくまで説明のために仮定した数値であり、将来の運用成果を予測・保証するものではありません。**実際には、これを上回ることも下回ることも、元本割れすることもあります。「100万円をNISAに入れれば必ずこの金額になる」という意味ではない点にご注意ください。
比較するときに注意したいこと
この2つの試算を並べるときにもっとも大切なのは、次の違いを忘れないことです。
- 住宅ローンの繰上げ返済:「確実な利息削減」(結果が事前にわかる)
- NISAでの投資:「不確実なリターン」(結果は運用してみないとわからない)
繰上げ返済による利息削減効果は確実に得られるものですが、NISAの運用益は変動リスクを伴う試算値にすぎません。この「確実性の違い」を無視して数字だけを比較すると、判断を誤りやすくなります。
また、住宅ローン控除を受けている期間中は、繰上げ返済によって控除額そのものが減る可能性がある点にも注意が必要です。
物価が上昇し続けるような局面では、固定された負債の実質的な価値は目減りしていくため、早く返済することだけが正解とは限らない、という視点も持っておくとよいでしょう。
繰上げ返済とNISA、実は「両方」という選択肢もある
ここまで「繰上げ返済かNISAか」という前提で見てきましたが、実際には多くの方にとって、二者択一である必要はありません。
「毎月の余剰資金10万円を、NISAに全部回すか、繰上げ返済用にすべて貯めるか」ではなく、「NISAに7万円、繰上げ返済用の現金に3万円」というように、配分を決めるという第三の選択肢があります。
余剰資金をNISAと繰上げ返済用に分ける
毎月の余剰資金を、あらかじめ決めた割合でNISAへの積立と繰上げ返済用の現金に振り分ける方法です。
たとえば「投資に7割、繰上げ返済用の現金に3割」のように配分しておけば、資産形成と将来の繰上げ返済への備えを同時に進められます。
割合に正解はありませんが、生活防衛資金を確保したうえで、自分のリスク許容度に合わせて決めるのがポイントです。
毎月の積立と将来の繰上げ返済を両立する
NISAでの積立は毎月自動的に続けながら、繰上げ返済用の現金は普通預金などに貯めておき、まとまった金額になったタイミングで繰上げ返済を実行する、という進め方もあります。
積立を止めずに継続できるため、複利効果を途切れさせずに済むというメリットがあります。
金利が上昇したら繰上げ返済の比率を上げる
現時点では低金利でも、将来的に金利が上昇する局面では、繰上げ返済用に振り分ける割合を増やすという柔軟な対応も可能です。
「今の配分をずっと固定する」のではなく、金利動向や家計の状況にあわせて、配分を見直していく前提で考えておくと安心です。
20代会社員ならどう考える?筆者の考え方
20代は「時間」を味方にできる
20代会社員の強みは、資産運用に充てられる時間が長いことです。
複利の効果は運用期間が長くなるほど大きくなるため、早いうちから積立を始めておくメリットは大きいといえます。
ただし、20代は投資に回せる期間が長い一方で、住宅ローンの残存期間も長くなりやすいという面も忘れてはいけません。
「投資期間が長い=NISAが有利」というだけでなく、「ローンの残存期間が長い=利息の負担期間も長くなりやすい」という両方の側面があることを踏まえて考える必要があります。
住宅ローンを組んだ場合、完済時期は50代後半〜60代になることが多く、老後を迎える前に完済できる計画を立てやすい年代でもあります。無理に繰上げ返済で完済を急がなくても、NISAでの資産形成に軸足を置くという考え方が成り立つのは、この「時間」という強みを活かせるためです。
私は住宅ローンとNISAをどう考えているか
私自身は、ペアローンで住宅ローンを組んだ際、返済方式は元利均等しか選べませんでしたが、団体信用生命保険込みの変動金利が0.5%程度、当時の固定金利は1.5%程度だったため、変動金利を選びました。固定金利との比較が不十分だったことは、今振り返ると反省点でもあります。
借入から2〜3年で金利が上昇し、毎月の返済額も5,000円以上増えましたが、固定金利との差額分はNISAでの積立に回しています。住宅ローン控除の適用期間中(10年間)である現在は、あえて繰上げ返済をせず、流動性や長期的な資産形成のバランスも含めて積立の継続を優先する方針です。
ただし、これは「NISA派だから今後もずっとそうする」という意味ではありません。今後、金利が大きく上昇した場合や、生活防衛資金を確保したうえでさらに手元資金に余裕が出た場合には、繰上げ返済の比率を高めるつもりでいます。
住宅ローンを組む前の考え方については、こちらの記事でまとめています。
住宅の変動金利・固定金利の選び方についても、詳しく解説しています。
▶︎ [住宅ローンは変動金利と固定金利どっち?20代会社員の選び方を解説]
繰上げ返済とNISAの判断チェックリスト
自分がどちらを優先すべきか迷ったときは、次のチェックリストで確認してみてください。
| チェック項目 | YESの場合 |
|---|---|
| 生活防衛資金は十分にあるか | 次の項目へ |
| 数年以内に使う予定のないお金か | 次の項目へ |
| 住宅ローンの金利は低いか | NISAを検討 |
| 住宅ローンの金利は高いか(目安:1.5〜2.0%以上) | 繰上げ返済を検討 |
| 投資に回せる期間は10年以上あるか | NISAを検討 |
| 資産が値下がりしても慌てず保有し続けられるか | NISAを検討 |
| 借金を減らす確実な安心感を重視したいか | 繰上げ返済を検討 |
| 住宅ローン控除への影響を確認したか | (繰上げ返済を検討する前に)必須で確認 |
「生活防衛資金がない」「投資の値下がりが怖くて夜も眠れない」という場合は、無理にNISAを優先する必要はありません。
反対に、生活防衛資金があり、金利も低く、投資期間も長く確保できるのであれば、NISAでの積立を軸に考えるのも十分に合理的です。
そして最後にもう一度お伝えしたいのは、「NISAか繰上げ返済か」という二択で終わらせず、「どちらにどれだけ配分するか」まで考えてみるということです。
よくある質問
住宅ローンの繰上げ返済とNISAはどっちが得?
将来の投資リターンと住宅ローンの金利差によって変わるため、一概にはいえません。
ただし、金利が1%を下回るような低金利の場合、NISAの長期的な期待リターンのほうが上回る可能性は高くなります。とはいえ投資には元本割れのリスクがあることは忘れないでください。
住宅ローン控除中に繰上げ返済してもいい?
可能ですが、期間短縮型の繰上げ返済によって、最初の返済月から最終返済月までの通算期間が10年未満になると、その年以降は控除を受けられなくなります。
控除を受けている間に繰上げ返済を検討する場合は、必ず通算の返済期間を確認しましょう。
変動金利なら繰上げ返済したほうがいい?
現在の適用金利が0.5〜0.7%程度と低い場合、利息削減だけを目的として急いで繰上げ返済する必要性は相対的に低いと考えられます。
ただし、将来の金利上昇リスクに備えたい、投資にあまり抵抗を感じない、といった考え方は人によって異なります。金利上昇リスクが気になる方や、住宅ローン残高が大きく安心感を重視したい方にとっては、低金利のうちから繰上げ返済を選ぶことも十分合理的です。
繰上げ返済はいつするのがいい?
利息削減効果を重視するなら、返済初期のほうが効果は大きくなります。返済初期ほど利息の占める割合が高いためです。
住宅ローン控除を受けている場合は、控除の適用期間が終わったタイミングを一つの目安にする方法もあります。
NISAと繰上げ返済を両立する方法は?
二者択一にせず、毎月の余剰資金を「NISAへの積立」と「将来の繰上げ返済用の現金」に分けて配分する方法があります。
資産形成と金利上昇への備えを、同時に進められるのがメリットです。
まとめ|住宅ローンとNISAは「家計全体」で考える
住宅ローンの繰上げ返済とNISA、どちらを優先すべきかは、利回りの比較だけで決められる話ではありません。
- まずは生活防衛資金を確保する
- 住宅ローンの金利水準を確認する
- 住宅ローン控除を受けているかどうかを確認する
- これから投資に回せる期間を考える
- 自分がどこまで値下がりに耐えられるかを把握する
この5つを踏まえたうえで、自分の家計全体のバランスを見ながら、繰上げ返済とNISAの配分を決めていくことが大切です。
「どちらか一方を選ぶ」のではなく、「家計全体でどう配分するか」という視点を持つことで、無理のない資産形成を続けていくことができます。
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住宅ローンを抱えながらでも新NISAを続けるべきか、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
▶︎ [住宅ローンがあっても新NISAはやるべき?20代会社員の資産形成戦略]
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▶︎ [新NISA完全ロードマップ|20代会社員が迷わず資産形成を始める全手順]
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