「住宅ローン控除って結局いくら戻ってくるの?」
住宅の購入を考え始めると、多くの人がこの疑問にぶつかります。
制度自体は聞いたことがあっても、控除額の計算方法や申請の流れまで理解している人は少ないはずです。
2026年は住宅ローン減税にとって大きな節目の年です。
制度が2030年まで延長されたうえ、中古住宅への優遇も拡充されました。
一方で、新築住宅は住宅性能の条件が厳しくなっており、「知らずに損をする」ケースも増えています。
この記事では、宅地建物取引士・FP2級の資格を持ち、実際に20代で住宅を購入した運営者の視点も交えながら、2026年の住宅ローン控除の仕組み・控除額・条件・申請方法を整理します。
読み終える頃には、自分が制度の対象になるかどうか、そして住宅ローンを組む前に何を確認すべきかが見えてくるはずです。
すでに住宅ローンを組んでいて、控除と新NISAどちらを優先すべきか気になる人は、住宅ローンがあっても新NISAはやるべき?20代会社員の資産形成戦略もあわせて参考にしてください。
これから住宅購入を検討している人は、20代で住宅を購入するメリット・デメリット|実体験から徹底解説から読むのもおすすめです。
3分でわかる住宅ローン控除
まずは、2026年の住宅ローン控除の要点を一覧で確認しておきましょう。
| 項目 | 2026年のポイント |
|---|---|
| 控除率 | 0.7% |
| 適用期間 | 2026年〜2030年入居分 |
| 控除期間 | 住宅の性能により10年間または13年間 |
| 所得要件 | 原則、合計所得金額2,000万円以下 |
| 床面積要件 | 原則40㎡以上(一部条件で50㎡以上) |
| 初年度の手続き | 確定申告が必要 |
| 2年目以降の手続き | 会社員は年末調整でOK |
| 特に注意したい点 | 住宅性能・新築か中古か・入居時期で条件が変わる |
この記事でわかること
- 2026年の住宅ローン控除はいくら戻るのか
- 自分が制度の対象になるかどうか
- 新築と中古で何が違うのか
- 確定申告と年末調整、それぞれの申請方法
- 2026年の制度改正で何が変わったのか
住宅ローン控除とは?まず仕組みをわかりやすく解説
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを取得した人の税負担を軽減する制度です。
正式名称は「住宅借入金等特別控除」といい、国が住宅取得を後押しする目的で設けています。
年末時点の住宅ローン残高に応じて、一定の金額が所得税や住民税から差し引かれる仕組みです。
会社員でも、一定の要件を満たせば利用できる制度です。
住宅ローン控除は「税額控除」の制度
住宅ローン控除は「所得控除」ではなく「税額控除」です。
所得控除が課税対象の所得そのものを減らすのに対し、税額控除は計算済みの税額から直接差し引かれます。
同じ「控除」でも、税額控除のほうが手元に残るお金への影響が大きくなりやすい制度だと理解しておきましょう。
2026年の住宅ローン控除はどうなった?
2026年は、住宅ローン減税の制度が延長・拡充された重要な年です。
延長と拡充がある一方、条件が厳しくなった部分もあります。
まずは全体像を押さえておきましょう。
2026年から2030年まで制度が延長
住宅ローン減税は、2026年(令和8年)から2030年(令和12年)まで5年間延長されました。
国土交通省によると、住宅ローン減税は2026年1月1日から2030年12月31日までに入居した場合に適用されます(国土交通省「住宅ローン減税」)。
これまで数年おきに延長が議論されてきた制度ですが、今回はまとまった期間の延長となった点が特徴です。
住宅購入のタイミングを迷っている人にとっては、制度自体がなくなる心配は当面不要と考えてよいでしょう。
中古住宅への優遇が拡充
今回の改正で特に注目されているのが、中古住宅(既存住宅)への優遇拡充です。
これまで中古住宅は借入限度額が低く抑えられていましたが、2026年からは省エネ性能の高い中古住宅で限度額が引き上げられ、控除期間も最長13年間になりました。
新築だけでなく、中古住宅の購入を検討している20代会社員にとっても見逃せない改正です。
床面積要件が40㎡以上に緩和
2026年からは、床面積要件が新築・中古住宅とも原則40㎡以上に緩和されました。
これまでは原則50㎡以上が必要でしたが、コンパクトな住宅も対象になった形です。
ただし、次のいずれかに該当する場合は、引き続き50㎡以上が必要になります。
- 合計所得金額が1,000万円を超える人
- 子育て世帯・若者夫婦世帯向けの借入限度額の上乗せ措置を利用する人
単身者向けのコンパクトなマンションを検討している人にとっては、特に影響の大きい改正です。
新築住宅は省エネ性能の条件がより重要に
一方、新築住宅では住宅性能の条件が引き続き重要です。
省エネ基準を満たさない新築住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外です。
そのため、新築を検討する場合は「性能が伴っていない安さ」に注意が必要になります。
住宅会社から性能等級の説明を受ける際は、住宅ローン控除の対象になるかどうかも合わせて確認しておくと安心です。
2026年の住宅ローン控除はいくら?
ここからは、具体的な借入限度額と控除内容を見ていきます。
住宅の性能や新築・中古の別によって、金額が大きく変わる点がポイントです。
新築・買取再販住宅の借入限度額
2026年から2030年に入居する新築住宅・買取再販住宅の借入限度額は、以下のとおりです(子育て世帯・若者夫婦世帯は上乗せ措置後の金額です)。
| 住宅の性能区分 | 一般世帯 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年間 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年間 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年間(※1) |
| その他の住宅(省エネ基準を満たさない新築) | 対象外 | 対象外 | — |
※子育て世帯:19歳未満の扶養親族がいる世帯。若者夫婦世帯:夫婦のいずれかが40歳未満の世帯です。
※1 省エネ基準適合住宅(新築)が対象になるのは2026・2027年入居分までです。2028年以降に入居する場合は原則として対象外ですが、2027年末までに建築確認を受けたもの等については、借入限度額2,000万円・控除期間10年間の経過措置があります。
なお、通常の新築住宅で省エネ基準を満たさない場合は対象外ですが、不動産会社が既存住宅を改修して販売する「買取再販住宅」に限っては、省エネ基準を満たさなくても借入限度額2,000万円・控除期間10年で対象になります。
新築住宅は、性能区分によって最大控除額が大きく変わります。
省エネ基準を満たさない場合は対象外(0円)ですが、認定長期優良住宅で子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せ措置を利用すれば、13年間で最大455万円の控除を受けられます。
価格だけでなく性能区分も必ず確認しましょう。
中古住宅の借入限度額
中古住宅(既存住宅)の借入限度額は、以下のように整理できます(子育て世帯・若者夫婦世帯は上乗せ措置後の金額です)。
| 中古住宅の性能区分 | 一般世帯 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良・低炭素・ZEH水準 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年間 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年間 |
| その他の既存住宅(省エネ基準を満たさない) | 2,000万円 | 上乗せなし | 10年間 |
※子育て世帯:19歳未満の扶養親族がいる世帯。若者夫婦世帯:夫婦のいずれかが40歳未満の世帯です。
新築と違い、中古住宅は省エネ基準を満たさなくても対象外にはなりません。
ただし、控除期間が10年間に短くなる点は覚えておきましょう。
控除率0.7%・控除期間を整理
控除率は、新築・中古を問わず一律0.7%です。
年末時点のローン残高(借入限度額が上限)に、この0.7%を掛けた金額が控除額の基準になります。
控除期間は、住宅の性能区分によって13年間または10年間のいずれかです。
「限度額」と「期間」の掛け合わせで、最終的に受けられる控除の総額が変わってくるイメージを持っておくとわかりやすいです。
住宅ローン控除の控除額を計算する方法
制度の全体像がわかったところで、実際の計算方法を見ていきます。
基本的な計算方法
住宅ローン控除の控除額は、次の式で計算します。
控除額 = 年末時点のローン残高(借入限度額が上限)× 0.7%
たとえば、借入限度額が2,000万円の住宅で、年末残高が1,800万円だった場合の控除額は次のとおりです。
1,800万円 × 0.7% = 12万6,000円
まず所得税から控除され、控除しきれない場合は一定の上限まで翌年度の住民税から控除される仕組みです。
計算上の控除額がそのまま振り込まれるわけではない
計算上の控除額が出ても、実際に受け取れる金額はそれより少なくなることがあります。
たとえば、年末残高3,000万円の住宅で計算上の控除額が21万円になったとしても、21万円がそのまま現金で振り込まれるわけではありません。
理由は、控除額の上限が「その年に納めた所得税額」に左右されるためです。
計算上の控除額が20万円でも、その年の所得税が15万円しか発生していなければ、所得税からは15万円までしか控除されません。
控除しきれなかった分は、翌年度の住民税から一定の上限内で差し引かれる仕組みになっています。
つまり、年収や納税額によって「満額を使い切れるかどうか」が変わってくるということです。
簡単な計算例
もう一つ、借入限度額を超えるケースも見ておきましょう。
省エネ基準適合の中古住宅(借入限度額2,000万円)を購入し、年末残高が2,800万円だった場合です。
控除の対象になるのは限度額の2,000万円までのため、計算は次のようになります。
2,000万円 × 0.7% = 14万円
限度額を超えた800万円分は、控除の計算には含まれません。
借入額を増やしても、限度額を超えた部分には控除が効かないという点は、住宅ローンの借入額を考えるうえで意識しておきたいポイントです。
住宅ローン控除を受けるための条件
控除額の次は、そもそも制度を利用できる条件を確認しましょう。
主な要件は以下のとおりです。
住宅取得後6か月以内に入居
住宅の引渡しまたは工事完了から6か月以内に入居し、かつ、その年の12月31日まで引き続き居住していることが条件です。
購入したものの入居が大幅に遅れるようなケースでは、対象外になる可能性があるため注意しましょう。
住宅ローンの返済期間が10年以上
対象となる住宅ローンは、返済期間が10年以上のものに限られます。
繰上返済によって残りの返済期間が10年未満になった場合、その時点で控除が受けられなくなる点も覚えておいてください。
所得要件
住宅ローン控除を受けるには、合計所得金額が2,000万円以下であることが必要です。
会社員であれば、多くの人がこの要件を満たすはずです。
なお、床面積が40㎡以上50㎡未満の住宅の場合は、合計所得金額1,000万円以下という、より厳しい所得要件が適用されます。
床面積要件
前述のとおり、2026年からは新築・中古住宅ともに、床面積が原則40㎡以上(登記簿上の面積)であれば対象になります。
ただし、合計所得金額が1,000万円を超える人や、子育て世帯・若者夫婦世帯向けの上乗せ措置を利用する人は、引き続き50㎡以上が必要です。
自分がどちらに該当するかは、購入前に確認しておきましょう。
自分が主として住む住宅であること
投資用物件や、主に人に貸すための住宅は対象外です。
あくまで、自分自身が生活の拠点として住むための住宅であることが前提になります。
新築と中古で住宅ローン控除はどう違う?
新築と中古では、住宅ローン控除の扱いにいくつかの違いがあります。
新築住宅
新築住宅は、省エネ基準を満たしていることが必須条件です。
基準を満たさない場合、住宅ローン控除の対象外になってしまいます。
性能が高いほど借入限度額も大きくなるため、住宅会社に「どの性能区分に該当するか」を必ず確認しましょう。
中古住宅
中古住宅は、新築ほど厳しい性能要件はありません。
省エネ基準を満たさない中古住宅でも、借入限度額2,000万円・控除期間10年間で制度の対象になります。
2026年からは、性能の高い中古住宅の借入限度額も引き上げられているため、中古住宅を検討する人にとって選択肢が広がったと言えます。
私自身、結婚のタイミングで中古マンションを購入しました。
新築にはない「駅からの近さ」や「価格の割安さ」を優先できたのは、中古住宅ならではのメリットだったと感じています。
中古住宅では耐震基準にも注意
中古住宅の場合、建築時期によっては耐震基準に関する確認が必要です。
税制上は、登記簿上の建築日が昭和57年(1982年)1月1日以後であれば、新耐震基準に適合しているものとして扱われます。
一方、それより前に建築された住宅を取得する場合は、耐震基準適合証明書などの書類によって耐震性を証明する必要があります。
「築年数が古い=必ず対象外」というわけではないため、購入前に不動産会社を通じて、登記簿上の建築日や必要書類を確認しておきましょう。
住宅ローン控除の申請方法
制度の対象になることがわかったら、次は申請方法です。
初年度は確定申告が必要
住宅ローン控除を初めて受ける年は、会社員であっても必ず確定申告が必要です。
年末調整では手続きができないため、忘れずに税務署へ申告しましょう。
実際に私自身も、初年度の確定申告を経験しました。
正直なところ、最初につまずいたのは必要書類を集める段階でした。
会社の先輩に住宅ローン控除の経験者がいて、税理士に依頼することも考えましたが、最終的には自分で調べて申告することにしました。
実際にやってみると、住宅の売買契約書と金融機関からの残高証明書があれば手続き自体はそれほど複雑ではなく、思っていたより自分で対応できました。
2年目以降は会社員なら年末調整が基本
2年目以降は、給与所得者であれば年末調整で手続きが完結します。
税務署から送られてくる「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」と、金融機関発行の残高証明書を、勤務先に提出するだけで済みます。
確定申告のような手間がかからないため、初年度さえ乗り切れば負担は大きくありません。手続きの詳細は国税庁「年末調整の手続き」でも確認できます。
住宅ローン控除の必要書類
必要になる主な書類は、以下のとおりです。
| 取得先 | 必要書類 | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 金融機関 | 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | 年末時点のローン残高 |
| 法務局 | 建物・土地の登記事項証明書 | 床面積、所有権、取得日 |
| 不動産会社・施工会社 | 売買契約書・工事請負契約書の写し | 住宅取得の対価 |
| 勤務先 | 源泉徴収票(初年度のみ) | 年間所得額、納付済みの所得税額 |
| 評価機関・施工会社 | 住宅省エネルギー性能証明書など | 省エネ性能の区分 |
書類の多くは、住宅を購入した不動産会社や金融機関が案内してくれます。
わからない点があれば、遠慮せず担当者に確認しましょう。
住宅ローン控除で住民税も安くなる?
所得税だけでなく、住民税にも控除が及ぶケースがあります。
所得税から控除しきれない場合
計算上の控除額が、その年の所得税額を上回ることがあります。
この場合、控除しきれなかった分は翌年度の住民税から差し引かれる仕組みです。
年収がそれほど高くない20代会社員ほど、この住民税控除の恩恵を受けやすい傾向があります。
住民税からの控除
住民税から控除される金額には上限があります。
上限は「前年分の所得税の課税総所得金額等の5%」で、最高97,500円までです。
この仕組みにより、所得税だけでは控除しきれなかった分も、一定の範囲でしっかりカバーされるようになっています。
住民税からの控除は、基本的に自分で手続きをする必要はありません。
確定申告や年末調整の内容をもとに、自治体側で自動的に計算されます。
住宅ローン控除でよくある注意点
制度を活用するうえで、誤解しやすいポイントを整理しておきます。
最大控除額=必ずもらえる金額ではない
借入限度額いっぱいまで借りたとしても、それだけで最大控除額を受け取れるわけではありません。
実際の控除額は、その年の所得税額や住民税の上限に左右されます。
「限度額×0.7%×年数」の数字だけを見て、期待しすぎないようにしましょう。
住宅ローンを多く借りれば得とは限らない
控除を意識するあまり、必要以上に借入額を増やすのは本末転倒です。
私自身、中古マンションを購入した際、リフォーム費用が当初の想定より膨らんだ経験があります。
住宅ローン控除はあくまで制度上のメリットであり、返済負担そのものを軽くしてくれるわけではありません。
借入額は、控除額ではなく毎月の返済額と家計のバランスで決めることが大切です。
住宅性能を購入前に確認する
特に新築住宅では、省エネ性能が控除の対象・対象外を分ける重要な条件です。
購入前に、住宅会社から性能等級の証明について説明を受けておきましょう。
「購入してから対象外だと気づいた」という事態は避けたいところです。
宅建士の視点からは、物件価格だけで比較するのではなく、次のような要素まで含めて総額で比較することをおすすめします。
- 物件価格
- 住宅ローンの金利
- 住宅ローン控除でどれくらい軽減されるか
- 固定資産税
- 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
- 将来の修繕費用
価格が数百万円安くても、性能や維持費の差で総額が逆転することもあります。
確定申告を忘れない
初年度の確定申告を忘れると、その年の控除は受けられません。
還付申告は5年間さかのぼって行えますが、忘れないに越したことはありません。
入居した年の翌年2月〜3月は、忘れずにスケジュールを確保しておきましょう。手続きの詳細は国税庁「住宅ローン控除を受ける方へ」でも確認できます。
住宅ローン控除だけで住宅購入を判断しない
住宅ローン控除は、あくまで住宅購入を後押しする制度の一つです。
控除があるからといって、無理な借入額での購入を正当化する理由にはなりません。
私自身、都内賃貸時代の家賃と同水準の返済額に収まる範囲で借入額を決めました。
結果として、郊外への住み替え後も投資に回せる金額は変わらず、無理のない資産形成を続けられています。
住宅ローンを選ぶ際も、控除額だけでなく金利・団信・諸費用・返済期間なども確認しておくことが大切です。
具体的な確認ポイントは、住宅ローンを組む前に確認すべき7つのポイント|20代会社員向け(公開予定)で整理しているので、あわせて参考にしてください。
住宅ローン控除と繰上返済はどちらを優先すべき?
住宅ローンを組んだあと、多くの人が悩むのが繰上返済のタイミングです。
住宅ローン控除中に繰上返済するとどうなる?
住宅ローン控除の期間中に繰上返済をすると、年末残高が減るため、その分だけ控除額も小さくなります。
また、返済期間が10年未満になるような大幅な繰上返済をすると、控除自体が受けられなくなる点にも注意が必要です。
控除期間中の繰上返済は、メリットとデメリットの両方を理解したうえで判断することが重要です。
私自身は、住宅ローン控除を受けられる10年間は、あえて繰上返済をしない方針にしています。
変動金利は多少上がってきたとはいえ、まだ1%に届くかどうかという水準です。
私はS&P500を中心に新NISAで長期運用していますが、投資には元本割れのリスクがあり、リターンが保証されているわけではありません。
そのため、繰上返済と投資のどちらが有利かを利回りだけで単純に比較するのではなく、金利水準・控除額・リスク許容度・手元資金を含めて総合的に判断するようにしています。
もちろんこれは、自分の金利水準や運用方針を前提にした一つの考え方にすぎません。
金利が高い人やリスクを取りたくない人には当てはまらないので、自分の状況に合わせて判断してください。
金利・控除額・手元資金を比較する
繰上返済と資産運用のどちらを優先すべきかは、金利水準によって考え方が変わります。
| 住宅ローンの状況 | 金利水準の目安 | 考え方のポイント |
|---|---|---|
| 控除期間中 | 低金利(1.0%未満) | 控除と手元資金の両方にメリットがあるため、資産形成とのバランスを取りやすい |
| 控除期間中 | 高金利(1.5%以上) | 金利負担が控除額を上回りやすく、繰上返済も選択肢に入る |
| 控除期間終了後 | 低金利(1.0%未満) | 急いで繰上返済する必要性は低い |
| 控除期間終了後 | 高金利(1.5%以上) | 繰上返済によって確実に利息負担を減らせる |
ただし、これは一般的な傾向であり、正解は家庭ごとの状況によって異なります。
生活防衛資金や近い将来の支出、家計全体とのバランスを踏まえて判断することが欠かせません。
住宅ローンと新NISAの優先順位について詳しく知りたい人は、住宅ローンがあっても新NISAはやるべき?20代会社員の資産形成戦略で判断の考え方を整理しているので、あわせて読んでみてください。
20代会社員なら資産形成とのバランスも重要
20代のうちは、住宅ローンの返済だけでなく、老後や将来に向けた資産形成も並行して考えたい時期です。
繰上返済に資金を集中させすぎると、資産形成のスタートが遅れてしまう可能性もあります。
控除額や金利だけで判断するのではなく、生活防衛資金を確保したうえで、家計全体を見ながら配分を考えることをおすすめします。
20代会社員が住宅ローン控除で確認したい5つのポイント
最後に、20代会社員という立場で特に確認しておきたいポイントを5つに整理します。
①年収・所得
住宅ローン控除には、合計所得金額2,000万円以下という所得要件があります。
また、夫婦のいずれかが40歳未満の場合や、19歳未満の子どもがいる場合は「子育て世帯・若者夫婦世帯」として、借入限度額の上乗せ措置の対象になることがあります。
20代で住宅購入を検討している人の多くは、この上乗せ措置の対象になる可能性が高いといえます。
該当するかどうかは、購入前に不動産会社や金融機関に確認しておきましょう。
②住宅性能
繰り返しになりますが、住宅性能は控除額を大きく左右します。
特に新築を検討している場合は、性能区分によって最大控除額が0円(対象外)から455万円まで大きく変わることがあります。
物件価格だけでなく、性能証明の有無まで含めて比較することをおすすめします。
③住宅ローンの金利
控除率0.7%に対して、住宅ローンの金利がどの水準かによって、控除のメリットの大きさは変わってきます。
金利が低いほど利息負担が小さく、控除による恩恵を実感しやすくなります。
金利タイプ(変動・固定)や団信の内容まで含めて、複数の金融機関を比較検討しておきましょう。
④手元資金
控除を受けられるからといって、借入限度額いっぱいまで借りる必要はありません。
毎月の返済額が家計を圧迫しては、本末転倒です。
控除はあくまで「おまけ」程度に考え、無理のない返済計画と、手元に残す生活防衛資金のバランスを優先しましょう。
⑤新NISAとのバランス
住宅ローン控除を理解したら、次に考えたいのは購入後の資産形成です。
控除期間中に浮いた資金を、生活費に消えるままにするのではなく、新NISAなどの資産形成に回せるかどうかで、将来の資産状況は大きく変わってきます。
住宅購入をゴールにせず、その後の資産形成まで見据えて計画を立てることをおすすめします。
住宅ローン控除に関するよくある質問
住宅ローン控除とは?
住宅ローンを利用して住宅を取得した人の税負担を、年末のローン残高に応じて軽減する制度です。
所得税や住民税から直接差し引かれる「税額控除」にあたります。
住宅ローン控除はいくら?
年末時点のローン残高(借入限度額が上限)に、控除率0.7%を掛けた金額が基準になります。
実際に受け取れる金額は、その年の所得税額などによって変わります。
住宅ローン控除は何年間?
住宅の性能区分によって、13年間または10年間です。
省エネ性能の高い住宅ほど控除期間が長くなる傾向がありますが、新築・中古の別や入居時期によっても条件が異なるため、自分のケースを個別に確認することをおすすめします。
住宅ローン控除はいつまで?
現行制度では、2026年1月1日から2030年12月31日までに入居した場合が対象です。
ただし、住宅の種類や性能などによって条件が異なるため、詳しくは国土交通省「住宅ローン減税」で確認しておくと安心です。
住宅ローン控除と住宅ローン減税は違う?
基本的には同じ制度を指します。
正式名称は「住宅借入金等特別控除」で、一般的に「住宅ローン控除」「住宅ローン減税」と呼ばれています。
中古住宅でも使える?
使えます。
2026年からは、省エネ性能の高い中古住宅を中心に、借入限度額が引き上げられました。
40㎡でも使える?
合計所得金額が1,000万円以下であれば、床面積40㎡以上50㎡未満の住宅でも対象になります。
ただし、子育て世帯・若者夫婦世帯向けの上乗せ措置を利用する場合は、50㎡以上が必要です。
詳しくは国土交通省「住宅ローン減税」の案内も確認しておくと安心です。
確定申告は必要?
初年度は、会社員であっても必ず確定申告(還付申告)が必要です。
2年目から年末調整できる?
できます。
金融機関発行の残高証明書と、税務署から届く証明書を勤務先に提出すれば、年末調整で手続きが完結します。
住民税も控除される?
所得税から控除しきれなかった分は、翌年度の住民税から差し引かれます。
上限は、所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円)です。
まとめ|住宅ローン控除を理解して無理のない住宅購入を
2026年の住宅ローン控除は、制度が2030年まで延長され、中古住宅への優遇も拡充されました。
一方で、新築住宅は省エネ性能の条件が厳しくなっており、事前の確認がより重要になっています。
控除額は「年末のローン残高×0.7%」が基準ですが、実際に受け取れる金額は所得税額などによって変わる点も押さえておきたいポイントです。
控除はあくまで住宅購入を後押しする制度の一つであり、借入額や住宅ローン選びの判断基準そのものではありません。
無理のない返済計画を立てたうえで、制度をうまく活用していきましょう。
住宅ローンを組む前に確認しておきたいポイントは、住宅ローンを組む前に確認すべき7つのポイント|20代会社員向け(公開予定)で詳しく解説しています。
これから住宅ローンを検討する人は、こちらもあわせてチェックしてみてください。
住宅ローンは比較して決めよう!
住宅ローンは、一度組むと数十年単位で付き合っていくものです。
金利や控除額だけでなく、団信の保障内容や返済のしやすさまで含めて、複数の金融機関を比較したうえで決めることをおすすめします。
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これから住宅ローンを検討する人は、一度チェックしてみてください。


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